選挙にブログは存在感増すも「どのような影響を及ぼすか」見定める必要あり、エデルマン調査

 PRコンサルティング会社エデルマン・ジャパン(ロバート・ピカード社長)は、「ブログと政治的活動」をテーマにしたブログ利用動向調査の結果を発表した。

 日本国内では公職選挙法の規定により、選挙期間中のインターネットを利用した選挙活動が制限されており、候補者はウェブサイトの更新や電子メール配信を自粛しているのが現状。その一方で、昨今のブログの隆盛により、ブログを通じた政策論争や世論形成を行おうという動きが一般市民の間にも見られている。こうした状況を踏まえ、ブログの閲覧がその後どのように政治的行動を促すのかを把握することを目的に調査を実施した。

 これによると、日本ではブログ閲覧を機に何らかの政治的活動に参加する人の割合が低い(18%)。この数字は韓国(19%)に近いものだが、イギリス(28%)、フランス(27%)、米国(28%)と比較すると非常に少ないと言える。

 過去12か月間で回答者が参加したことがある活動としては、日本では「署名にサインした」(18%)が最も多く、次いで「市民集会に参加した」(9%)が上位に挙がった。同じ質問に対し、ブログ閲覧者はそれぞれ「署名にサインした」(21%)、「市民集会に参加した」(11%)と回答しており、ブログを閲覧している回答者が政治的活動に参加した割合は、ブログを閲覧していない回答者に比べて高くなっている。同様の傾向は海外でも見られ、フランスでは、ブログ閲覧者の56%が「署名にサインした」ことがあり、ブログを閲覧していない回答者の37%を大きく上回る結果が得た。

 日本では、調査に参加した回答者の約4分の3(74%)が毎週最低1日はブログを閲覧していると回答。韓国(43%)、4分の1強の米国(27%)、4 分の1未満のイギリス(23%)、フランス(22%)と比較して圧倒的に高い数値となっている。また、回答者が若ければ若いほど(特に35歳以下)ブログを閲覧する頻度が高い。とくに日本では女性が男性より高いという結果が得られた。

 ブログの閲覧を契機に何らかの政治的行動を起こしたという回答者を年代別にみると、18歳〜34歳が22%、35歳〜54歳が20%、55歳以上が 11%と、若年層ほど政治活動にも積極的であることが分かる。これはアメリカでは年代が高くなるほど政治活動への参加率が高くなっている(18歳〜34歳が25%、35歳〜54歳が29%、55歳以上が32%)のとは逆の傾向にあるといえる。

 同社のデピュティマネージングディレクターである熊澤啓三氏は、「昨今日本においては、無党派層に代表されるような若年層の取り込み重要性が高まっている。その意味においては、政治的活動に関心の高いブログ閲覧者への積極的な働きかけは重要であり、今後の選挙結果を左右する大きな要因になりうることも予想される。また春の統一地方選挙や夏の参議院選挙などにおけるブログやインターネット上のコミュニケーションがどのような影響を及ぼすか、特に政治に携わるすべてのコミュニケーション担当者は注視する必要がある」、と述べている。

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