Veohはエンターテインメント業界と強力なつながりがあるだけに、未許可の動画が同サイトに登場したことに驚いているアナリストもいる。さらに業界専門家が疑問に思っているのが、著作権問題でYouTubeがメディア大手各社と角を突きあわせ続けているときに、なぜ巨額の資金を集めてまでYouTubeと同じような戦略を試みるのかという点だ。
2月初め、巨大エンターテインメント複合企業Viacomは、自社のテレビ番組や映画から素材を使用している10万本の動画をYouTubeのサイトから削除するよう要求した。Viacomは米国時間2月20日に、SkypeとKazaaの創業者が設立した新興企業Joostとライセンス契約を結んだことを発表し、Joostは知的財産侵害の防止を約束している。また、NBC Universalの新しいCEOであるJeff Zucker氏も2月初め、約束した著作権付きコンテンツにむけたフィルタリング技術の実施を遂行していないとしてYouTubeを激しく非難している。
オンラインで動画投稿サービスを提供する企業で、著作権問題を抱えているのはYouTubeだけではない。ソニー傘下の動画共有サイトGrouperやBolt.comなどもまた著作権侵害で訴えられている。テレビ番組をウェブ上でストリーミング配信するPtoP新興企業TVU Networksはここ数カ月大手メディア企業と衝突している。Major League Baseballやケーブルテレビ局のHome Box Office(HBO)などがTVUに対してコンテンツ削除要請の通知書を送付している。
映画業界や大手メディア企業がVeohに対して著作権侵害の反撃をとっていない理由の1つは、同サイトがまだ多くの注目を集めていないからかもしれない。正式なサービス開始からまだ1週間ほどで、サイトは現在ユーザーを集めている段階だ。
Viacom広報担当Jeremy Zweig氏は、Veohに作品全編が投稿されたことを質問されて、著作権問題ではYouTube、MySpace、Google Videoといった侵害行為が多く起こっていると考えるサイトに焦点を絞って戦っていると答えた。
「侵害行為が最も多く行われていると思われるサイトについて人員を割り当てている。現時点ではVeohには注目していない」と、Zweig氏は語った。
VeohはPtoP技術を利用して、DVD画質の動画を配信したりYouTubeといったほかのウェブサイトに投稿できるようにすることを計画している。同サイトの利用には現在のところソフトウェアのダウンロードが必要だが、同社の技術を使えばコンテンツ制作者は他の方法よりも効率的に動画を配信できるようになると、Veohの幹部は語っている。また同社では、動画をウェブに配信して広告を組み込むことも可能なシンジケートサービスも提供する考えだ。
著作権のある作品が同サイトに出現するのは一時的な現象だとShapiro氏は主張する。
「われわれは新しい媒体をまるごと作り出そうとしている。新しいことを始めると多少の問題は出るものだが、この業界にいるわれわれ全員が問題解決のために取り組んでいる」とShapiro氏は語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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