調査結果を巡り憶測が相次ぐ「iTunes」--悲観的な予測は時期尚早 - (page 2)

文:Tom Krazit(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2006年12月14日 17時35分

 181世帯によるiTunesの売り上げ全体の80%が、そのうちの3分の1の世帯によってもたらされていると述べた。大半のビジネスは、80対20の法則に自然に従うことになる。この法則は、企業の売上の80%はその顧客の20%によってもたらされるというものである。Bernoff氏は、この法則をAppleにあてはめると、iTunesを通じて楽曲を頻繁に購入する人の数は比較的少なく、不定期に、あるいはたまに楽曲を購入する人の方がずっと多くなると述べている。181世帯のうち、2005年にiTunesを通じた楽曲購入数が1曲のみだった世帯は32%であり、6曲以上だった世帯は31%にすぎない。

 AppleはiTunesの売り上げが低下していることを即座に否定した。同社は「iTunesの売り上げが落ちているという結論はただの間違いだ・・・、iTunesの売り上げは米国内のすべての楽曲売上の6%近くを占めており、われわれは音楽小売業者として第4位につけている」と声明の中で述べた。しかし、Appleはレポートの中の特定の数値について詳しく説明したり、デジタル音楽が広まってきているという購買トレンドについて自社データを提供したりしなかった。そのため、ForresterのデータはiTunesにおける購入者の性質を知る数少ない情報源の1つとなっている。

 Forresterによる調査の結論の中核は、デジタル音楽に参加する人の割合は低いため、デジタル音楽の売り上げによって音楽業界が今すぐ救われるというわけではないというものであった。Bernoff氏は、AppleがiTunesの年間販売楽曲数とその売上の成長を維持したとしても、その成長はCDの売上低下を埋め合わせるには十分ではないと述べている。

 投資銀行のPiper Jaffrayが米国時間12月12日に発表したレポートによれば、Appleは2005年1月から9月までで3億9000万曲、つまり1週間あたり1040万曲を販売したという。Appleは2006年の同時期、6億9500万曲、つまり1週間あたり1850万曲を販売した。Forresterによると、iPod1台につきiTunesで販売された楽曲の割合は、この数カ月で、これまでiPod1台あたり20曲だったものが、現在はiPod1台あたり23曲に増加しているという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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