グーグル、オークションを導入したストックオプションプログラムを発表 - (page 2)

文:Elinor Mills(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2006年12月13日 16時35分

 では、なぜGoogleはこのようなプログラムを導入するのか。同社の幹部らは、勤続期間の長い従業員と勤続期間の短い従業員との公平性を保つためと説明する。Google株の12日の終値は481.78ドルだった。同社の株価が長年上昇してきたにも関わらず、中には当然ながら、同社の株価が今後どこまで上昇するのか、また新規の従業員に与えられるオプションは確定時に彼らに何らかの利益をもたらすのか疑問を抱く人もいる。Googleの従業員ストックオプションは4年後に確定し、通常は10年後に失効する。

 Googleで株式および役員報酬を担当するマネージャーDave Rolefson氏は、「われわれの予想では、金融機関はGoogle株を保有し続ける権利のために、従業員に進んでプレミアムを支払うだろう」と語る。

 Googleの共同創設者であるSergey Brin氏は、早くから今回のオークションを使ったストックオプションシステムの導入を提案していた。Googleで評価および人事システムを担当するディレクターAllan Brown氏によると、勤務期間の浅い従業員の行使価格は、彼らよりもほんの少し前に入社した従業員の行使価格よりもはるかに高いため、Brin氏は、オークションを使ったシステムをオプションシステムの公平性の改善を図る1つの手段と考えたのだという。

 同プログラムの概要を把握している金融専門家らは、同システムについて、革新的であることは間違いないとしながらも、価格が上昇の一途を辿りそうな同社の株式を株式市場で売却せず、あえてオークションを利用する従業員が一体どれだけいるか疑問だと指摘する。

 コーポレートガバナンス(企業統治)を専門とする独立系調査会社The Corporate Libraryの編集長を務めるNell Minow氏は、「(同システムは)大変創造的かつ革新的だ。それこそまさにGoogleが期待されていることだ」が、Googleの従業員らはオプションを保持せず、売却する道を選ぶ可能性が高い、と語る。「問題は、Googleが株式を公開して以来維持してきた水準で今後も推移し続けることは物理の法則に反することを考えると、同社株を早期に現金化するのと保持し続けるのとではどちらが賢明かという点だ」(Minow氏)

 しかし、特にシリコンバレーの企業に勤務する従業員らは、「550ドルの株価が1000ドルに上昇する場面よりも10ドルまで下落する場面により見慣れている。人々の感覚的価値は、金融機関の計算値よりもはるかに低い」とRadford Surveys + Consultingの報酬コンサルタントのTed Buyniski氏は語り、「このシステムにより、Googleはその認識のずれを縮めることができる」と述べた。

 Googleの会計主任を務めるMark Fuchs氏によると、新プログラムの導入後もGoogleの会計に変化はないが、株式ベースの報償費の額は同プログラムを導入しない場合に比べて上昇するという。Googleは、同プログラムについて米証券取引委員会(SEC)とも議論してきたという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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