Mozilla日米代表が語るFireFoxの今--対IE 7の後ろ支えは6000万ユーザーの判断 - (page 2)

 いくつかある団体はそれぞれに別のフォーカスを持っている。米国のMozilla Corporationはコンシューマーフォーカスで開発を進めているが、Mozilla Japanはどちらかといえば企業にフォーカスを置いている。

 Mozilla Japanの代表理事、瀧田佐登子氏は、現在はカスタマイズ性などを特長として打ち出しやすいメールソフト「Thunderbird」の方が企業ユーザーへのアピールが進んでおり、大阪ダイキン工業など1万人以上の導入事例も上がり始めているという。

 これに対してブラウザの企業導入は遅れており、今、ようやく企業の側で、セキュリティや互換性などに対する問題意識が高まり、これから出てくる「Internet Explorer 7」を真剣に検討するなか、「Firefoxへの移行するところも出始めている」(瀧田氏)だという。

 「マイクロソフトがWindows Vista、Windows Live、Internet Explorer 7という三者間の連携を強めていくなかで、Firefoxならではの強みを打ち出せるのか」という問いが出るとBaker氏は、やや逆説的に次のように答えた。

 「まず何よりも先にマイクロソフトが言っていることが今日、明日だけでなく、これから数年先を見据えても正しいかどうかを見極めなければならない。過去数年を振り返ると、なかなかそうは見えない。彼らの言っていることが真実でインターネットの夜明けがそこに来ている、という人もいるが、そうした人たちはそれをずっと信じ続けて、盲目的に投資とアップデートを続けていかなければならない」

 Baker氏はここまで言ってから一息つき、こう続けた。「マイクロソフトは確かにわれわれにとって脅威的な競合相手だ。もっとも、われわれの仕事は彼らと競争することではなく、インターネットと人とにフォーカスをし、その双方にとって有益なツールを提供することだ」

 その結果として「6000万人のユーザーが、それぞれ自分の判断で製品を比較し、Firefoxを選んだ」。

Baker&Takita Baker氏とMozilla Japan代表理事の瀧田佐登子氏(右)

 こうしたMozillaの開発を支えてきたのはオープンソースのコミュニティだ。米国のMozilla Corporationでは、こうした「開発コミュニティへの参加を促すプログラムを積極的に展開してきた」(Baker氏)という。

 瀧田氏によれば、一方、日本では「英語という言葉の壁の敷居が高くて参加できないのか、オープンソースの活動ではユーザーコミュニティが主となっている」という。

 「できるだけ敷居を下げて、皆が参加できるようにする動きはある」が、プログラミングコンテストを開催するのがいいのかなど、具体的な方法については暗中模索の状態で、エンジニアたちからの生の声を求めている状態だという。

 こうした暗中模索の中での試行錯誤から、最近では言葉で語るとつい難しくなりがちなFirefoxを「フォクすけ」というマスコットキャラクターに語らせる試みが始まっているが、この動きにはBaker氏も注目しており、ここから学んだことを米国でのマーケティングにも反映していきたい、と語っていた。

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