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すべては顧客のために--Craiglist創設者の熱い闘い

2006/06/29 22:32
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 Craigslist.orgの創設者であるCraig Newmark氏(53歳)は、先日、同氏について「社会主義のアナーキスト」と非難した英国メディアの大御所--実際ナイトの称号を持つ人物--に対して言いたいことがあるという。

 米国時間6月22日に行われたインタビューの中で、笑顔のNewmark氏は、ちょっとした歴史の教訓を示すことでこの非難に返答している。「(米国の独立戦争が終わった直後の)1780年代、英国人のおおかたは、米国がやろうとしていることは無政府主義の実験だと思っていた。それがどうだ・・・見事に機能している」とNewmark氏は話す。

 多くの人から、シリコンバレーにいる革新家の中で最も人柄がよく温厚な人物の1人と目されているNewmark氏だが、このところ、攻撃的な姿勢に出ることが多くなってきた。大御所たちと舌戦を展開しているかと思えば、別のときにはネットの中立性を声を大にして主張したり、Craigslistでの住宅広告について差別的な内容の掲載を容認しているといった批判に、真っ向から反論したりしている。

 Newmark氏は、Cox Communicationsが同氏のサイトへのアクセスを遮断したのを不当だと主張している。一方、賃貸アパートのリストをCraigslistに掲載するにあたり10ドルの掲載料が課せられるようになったことに腹を立てたニューヨークの不動産業者たちからの批判は、一蹴した。新聞業界には、Craigslistのせいで新聞が存亡の危機に立たされているとして、恨みを抱き続けている人々も多い。

 Newmark氏はもはや「ミスター・ナイスガイ」ではなくなってしまったのだろうか?

 21〜23日に開催されたメディア関連会議「Supernova2006」で、Newmark氏は大勢の企業幹部に向かって、「われわれは、自分たちにとって正しいと思うことをやっている」と語った。

 これまでのところ、Newmark氏の羅針盤は同氏を正しい方向に導いてきたように見える。先週、Craigslistはサービス範囲を新たに100都市拡大し、現在は全部で300都市でサービスを提供している。毎月のページビューは、サイトグループをすべて合わせて40億ページに達し、経営者たちが掲載する新しい求人広告は50万件を超えると、株式未公開企業であるCraigslistの最高経営責任者(CEO)を務めるJim Buckmaster氏は言う。

 Craigslistには、誰でも売りたい物をほとんど何でも広告に出すことができ、料金もかからない。購入するほうも、手数料を払う必要はない。仕事、賃貸物件、ペット、家具、洋服、はたまた恋人までCraigslistで見つけられる。

 「Craigが大好きだ」と話すのは調査会社Forrester ResearchのメディアアナリストCharlene Li氏だ。Li氏は、手がける企業については概して控えめに述べるのだが、Newmark氏に関してはとうとうと語りだす。Li氏は最近自宅を改築したが、ドアノブにいたるまで家にあったもののほとんどを、Craigslistで売却した。

 これほど顧客への誠実さをはぐくんでいる企業はめったにない。これは、Newmark氏が過剰なまでに顧客に配慮していることに負うところが大きい。Newmark氏がCraigslistを立ち上げたのは1995年のことで、サンフランシスコで行われる各種イベントを友人たちへ知らせる手段とするためだった。そこからCraigslistは企業へと成長し、Newmark氏は、日々の業務を監督するよりも、社会とともに働くほうが楽しいことに気づいた。こうして同氏は今、監督業務を別の人に譲り、会長兼CSR(顧客サービス担当:Customer Service Representative)を務めている。

 Craigslistが顧客の間で人気があるもう1つの要素は、社会責任に対する首尾一貫した姿勢にある。確かに、ユーザーや顧客が第一だと表明する企業はたくさんあるが、Craigslistのモットーである「人々にほっと一息ついてもらう」ために利益を逃すこともよしとするところはまずない。Craigslistも、十億ドル規模になる案内広告の売上から、たっぷりと分け前を享受することも可能なのだが、The Wall Street Journal紙に先週掲載された記事によれば、同社は2005年の2500万ドルという数値に満足しているという。

 しかし、これまで社会の監視役を務めてきた新聞を支える広告売上を侵害しつつあるという事実と、社会責任に関するNewmark氏の哲学とは、どう折り合いがついているのだろうか? かつて多くの新聞の利益の半分以上は、案内広告でまかなわれていた。この数値は近年、確実に減少してきている。

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