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FCCのVoIP傍受規定、「ネットの父」V・サーフ氏らが激しく反発

2006/06/14 18:53
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 ネット電話の会話を警察が容易に傍受できるようにすべきとする連邦規定が、研究者や技術者、さらにインターネットの創始者からの新たな攻撃にさらされている。

 米国時間6月13日にリリース予定の21ページに渡る調査報告書(PDFファイル)は、政府が監視するための通信傍受用の裏口を設置するという条件を、VoIPを使用する全ての製品が満たすことはとても期待できない、と指摘している。この条件は、連邦通信委員会(FCC)が2005年9月に提示した要求事項であり、Bush政権が支持している。

 同報告書をまとめたInformation Technology Association of America(ITAA)によると、VoIPが依存しているネットワークアーキテクチャは従来の電話線とは根本的に異なっているため、そのような要求が課せられれば、業界に「巨額の負担」を強いるだけでなく、重大なセキュリティ上の危険を招く可能性もあるという。

 同報告書の作成には、Googleのチーフインターネットエバンジェリストで、インターネットの創始者の1人であるVint Cerf氏、安全保障を専門とする著名なコンピュータセキュリティの教授であるSteven Bellovin氏とMatt Blaze氏、国家安全保障局(NSA)の元局員であるClinton Brooks氏、さらにSun MicrosystemsとIntelの技術者など、総勢9人が参加した。

 同報告書は、ワシントンDCの連邦控訴裁判所が9日に、FCCの通信傍受規定の正当性を支持する判決を下したのを受けて作成された。この裁判では、図書館員やコミュニティカレッジ、さらにSunなどの民間企業が、FCCには「捜査当局による通信傍受の援助法(Communications Assistance for Law Enforcement Act:CALEA)」の適用範囲をインターネットにまで拡大する権限はないとして、FCCの通信傍受規定の撤廃を求めていた(原告は控訴すると見られる)。

 仮に2007年5月に発効予定のFCCの通信傍受規定がなくても、警察にはインターネット上で通信傍受を行う法的権限がある。FBIのCarnivoreシステムはまさにその目的で開発されたものだ。それでもFBIは、「今日、国家安全保障上の脅威が高まっていること、また、犯罪者らが極めて秘密性の高い通信手段を用いる傾向が強まっていることを考慮すると、ブロードバンド上の通信を傍受できる標準化された権限が早急に必要」と主張する。

 FCCの強制力ある通信傍受規定をめぐり論争が展開されている一方で、Bush政権は、NSAが監督する電話とインターネットを対象とした監視プログラムをめぐり、次第に強まりつつある議会からの圧力、とりわけArlen Specter上院議員(共和党、ペンシルベニア州選出)の圧力にさらされている。またAT&Tはサンフランシスコで開かれている別の裁判で、連邦プライバシー法に反する方法で協力した罪に問われている。

 また同報告書の作成者らは、VoIPの特性を考えると、捜査当局は当初想定していた個人に対する通信傍受を行わない恐れもあると指摘している。個人が複数のVoIP電話番号を取得することは理論的に容易であるため、「インターネット生活ではなんら珍しいことではない複数のIDを把握し、追跡するのは極めて困難だ」という。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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