NSA監視プログラムへの協力を疑われたAT&Tが、法的承認の存在を示唆 - (page 2)

文:Declan McCullagh(CNET News.com) 翻訳校正:緒方亮、小林理子2006年05月18日 22時17分

 しかし、続けてNichols司法次官補代理は、こうした証拠は「国家機密」である機密情報に関係しており、公開されると国家の安全保障が危険にさらされるだろうと述べた。国家安全保障を理由に米Bush政権が訴えの却下を求めていることに関する審理は、6月23日に予定されている。

 一方、AT&TはNSAによる監視計画への関与の規模について沈黙を守っている。最初、NSAによる監視計画は国際電話だけが対象だったと考えられていたが、現在は国内通話やその他の記録も含まれた可能性があると言われている。通話記録のデータベースをNSAに提供したと報じたUSA Today紙の記事に対して、Verizon CommunicationsとBellSouthは、関与を否定した。しかし、AT&Tはコメントを拒否している。

 AT&Tの広報担当者Marc Bien氏は17日、CNET News.comに対し「プログラムが存在するかどうかやそれをどうとらえるかなどとは切り離しての話だが、政府から国家安全保障のための協力を求められ、その要求が法律の範囲内であれば、AT&Tには受け入れる用意があるということは言える」と語った。

 この訴訟の次の争点は「国家機密」の概念がどこまで拡大できるかに集中しそうだ。AT&Tは、厳密にどのような情報が開示されてしまったかを語ることなく、証明書の文言を明らかにすることは可能なのか? 証明書が存在するかどうかさえも、秘密にしなければならないのだろうか?

 さらに問題を複雑にしているのが、合衆国法律集第18編第2511条にある公開の禁止だ。これによると、電話会社は法が求める場合を除いて「いかなる傍受または監視の存在も、傍受や監視に用いられた機器も明らかにしてはならない」。非合法的に公開した場合は罰金の対象になる。

 EFFは、証明書が存在するかどうかまでを機密扱いすべきではないと主張する。EFFの弁護士であるCindy Cohn氏は17日の審理で「この法律は(傍受や監視の)プロセス全体を規定しているものなのだから、証明書が存在したかしないかは国家機密ではない」と述べた。

 審理の後のインタビューでEFFの弁護士Lee Tien氏は「証明書が存在するのなら、公開すべきだ」と語っている。

 一方、かつてBush大統領の法律顧問を務め、現在AT&Tの弁護に立つBerenson氏は、AT&Tが法を犯しているという主張に対して反論した。EFFが「『犯罪傾向』『犯罪』といった言葉を選んで用いている」のは不適当だとBerenson氏は述べる。AT&Tは「米国の大企業の1つだ。そのようなレッテルを貼るのは無責任だとしか言いようがない」(Berenson氏)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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