「グーグルは検索技術で王座を狙う」--シュミット氏、ヤフーやMSとの差別化戦略を語る

文:Declan McCullagh(CNET News.com) 翻訳校正:尾本香里(編集部)2006年05月11日 11時28分

 カリフォルニア州マウンテンビュー発--Googleの最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏は米国時間5月10日、競合するYahooやMicrosoftとは異なり、同社は検索をビジネスの中核として位置づけていることから、いずれはウェブサービスおよび情報サービスの主要なインフラストラクチャプロバイダーとして認知されるようになるだろうと述べた。

 Schmidt氏は同社の年次記者会見の席上で、「今後競争がよりいっそう激しくなるのは明らかである。こうした競争はエンドユーザーにとっては好ましいものだ。(しかし、)当社の競合社はこれを重要視していない」と語った。

 ウェブが登場する以前の商業が高速道路の建設によって盛んになったように、情報サービスおよび情報産業はウェブ検索の成長とともに拡大していくはずだと、Schmidt氏は話している。「検索こそがビジネスを活性化する真に統一的なソリューションだ。われわれは、こうしたまったく新しい段階へ足を踏み入れようとしている」(Schmidt氏)

 同氏は「幅広いパートナーシップを築き、迅速な技術革新を実現した者が勝者になる」と述べ、GoogleがeBayやAOLと緊密な提携関係にあることに触れた。

 Schmidt氏はまた、ウェブ検索の重要性を悟った瞬間のことを振り返って語った。「だれでも、『なるほど、そうか』と得心する瞬間を経験したことがあるだろう。Googleで何かを検索して調べると、魔法にかかったような心持ちになる。『すばらしい発見をしてしまった!こんなことを知っている人はほとんどいないだろう』という思いに打たれるのである」(Schmidt氏)

Schmidt氏の悟りの瞬間

 Schmidt氏は、「Google Earth」を利用して世界中を見て回っていると言う。Google Earthは同社の地図表示プログラムで、衛星画像と上空を自由にスクロールできるインターフェースが売りだ。「Google Earthは新しい旅行手段」と話すSchmidt氏は、「オフィスに居ながらにして」エベレストに登れることが分かったときが、同氏の個人的な「悟りを開いた瞬間」だったと付け加えた。

 Schmidt氏は、「自分は何歳まで生きるのか」という疑問をGoogleで調べてみたこともあるという。67歳という答えが得られたのには不満だったそうだが、それでも、「ここがGoogleの有用なところだ。人生設計まで変えさせる力がある」と手放しで称賛した。

 ネットワークが10年前と比べ100倍は速くなり、ブロードバンドに接続できる携帯端末が登場し、「Wintel」プラットフォームがウェブサービスに取って代わられ、広告ビジネスモデルの有効性が認められて、なおかつ急速に国際的な成長を遂げ始めた今、検索インフラストラクチャおよび検索を基本としたウェブコマースの拡大は進展するばかりだと、Schmidt氏は述べている。

 一方で、「そうした技術を充実させるためならば、大企業にこだわらず、規模の小さい企業も買収していくつもり」(Schmidt氏)だという。

 さらに同氏は、検索やインターネットサービスの方向性は、結局はユーザーが決めるものだと話した。

 「インターネットの第一原則をあえて言わせてもらうなら、それは『決定権は人々にある』ということになる」とSchmidt氏は述べ、ユーザーが作成するwikiの人気を例に挙げた。また今後は、「情報は提供されるものではなく、みずから取得するものに変化していき、好奇心を持つことが専門知識を養う手段となるだろう」(Schmidt氏)とも指摘した。

 Schmidt氏によれば、Googleは5年以内に(同氏が)「前々からほしいと思っていた製品を開発する」予定だという。同社はこれを「掘り出し物(serendipity)」発見機能と呼んでおり、「そもそも何を検索ワードとして入力すればよいのかを教えてくれる機能」になると、同氏は説明している。

 このほか、主要言語による同時翻訳や、携帯電話で撮影した写真を、光学式文字認識(Optical Character Recognition:OCR)を用いて何を写したものであるか判断する機能などに取り組んでいくという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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