また、20日には、資料を流出させた人物についてAppleが徹底的に社内を調査したかについても、裁判所でかなりの議論が戦わされた。同社は、複数の社内サーバのログを調査し、当該情報にアクセスした25人の社員に対して質問もしたという。しかし、同社は従業員への質問時に宣誓証言の形式を取っておらず、その必要もないとの考えを示している。
Franklin Elia判事によると、Appleの内部調査は基本的に、「情報を流出していたら解雇する。さて、情報を流出したのか」と社員を問いつめているようなものだという。
Rushing裁判長は、Appleに同調して提出された意見書を嘲笑する行動にも出た。バイオテクノロジー企業のGenentechはこの意見書のなかで、社員に簡単な質問をすることさえAppleにとっては余りに大きな負担だ、と主張していた。
Elia判事はまた、控訴裁判所が下級裁判所の命令を見直す可能性も示唆した。「われわれが何もしないと一審の命令が効力を発揮し、何らかの損害が発生する可能性がある」(Elia判事)
Appleの弁護士Riley氏によると、判例では、業務機密を要求する権利は記者が情報源を保護するいかなる力にも勝るとなっており、New York Times紙やSan Jose Mercury News紙にもブロガーと同じ規定を適用すべきだという。
休憩を挟み、判事からはAppleに対してかなり厳しい質問が浴びせられた。「必要なのは単に窃盗犯の名前だけではないか。本裁判はそれだけが目的ではないか」とElia判事は述べた。
Riley氏はこれを否定し、同社は犯人を明らかにしたいのだと明かした。Elia判事はこれに対し、「罪を犯すと思われると人物を雇用すべきではない」と返した。
両者の主張を聞いた同裁判所は、本件を審議にかけることを決定した。Rushing裁判長は、「議論を享受した。裁判を受理する」と述べた。
判事がいつ判断を下すのかは明らかになっていないが、カリフォルニア州法では90日以内に判決を下すことが定められている。
審問後、EFFの弁護士Kurt Opsahl氏は、「裁判所はここで問われている重要な問題を理解したと思う」と語った。
Opsahl氏は、「カリフォルニア控訴裁判所には、これまで報道の自由を守ってきた長い歴史がある」と語った。Appleの関係者はコメントを控えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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