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米で「ネットの中立性」をめぐる議論が激化
カリフォルニア州サンノゼ発--米国最大手の電話会社AT&TとVerizon Communicationsが、階層分けされたインターネットのシステムをつくり出す計画を進めているという憶測が流れているが、もしこうしたシステムができれば、GoogleやYahooといった膨大なネットワーク帯域を使っている企業は、いまより多くのネットワーク使用料を払う必要がでてくるとして、IT業界のなかで激しい議論が巻き起こっている。
また、この件は連邦議会でも問題になってきており、一部の議員の中には、いわゆる「インターネットの中立性」または「ネットワークの中立性」とも呼ばれるものを維持する法案を新たに制定することで、階層分けされたインターネットシステムの出現を防ごうしている者もいる。
米国時間14日に当地のSan Jose Convention Centerで行われた「Voice Over the Net(VON)」カンファレンスでは、回線の供給者と使用者双方が、インターネットの規制がどの程度必要かという点について議論を戦わせた。しかしその議論は、インターネットの中立性という言葉の本当の意味や、まだ発生していない問題に対する法案を政治家が議論することの是非といった幅広い内容に終始した。
金融リサーチ会社Stifel, Nicolaus and Co.のBlair Levin氏(マネージングダイレクター兼規制アナリスト)は、「インターネットの中立性について、私は絶望的に混乱している」と述べ、「Bell(AT&T)が言っていることは理解できるが、それが意味することは不明確だ」とその理由を説明した。
ネットワーク回線を保有しているAT&TやVerizon Communicationsの最高経営責任者(CEO)らは、大量のデータをやりとりする企業から、現在よりも高い料金を徴収するシステムを構築するという計画を示唆するコメントを発表している。電話会社側では、こうしたヘビーユーザーが一般顧客のアクセス速度を低下させる原因になっていると主張している。ただし、こういった計画のほとんどは、その詳細が未だ明らかになっていない。
これに対し、GoogleやeBay、Yahooなどの企業は、いかなる企業であろうと「IPトラフィックの門番」の役割を担おうとすることに対しては反対の立場をとっている。これらの企業は、ネットワークを保有企業がトラフィックをブロックしたり制限したりすることをさらに規制する、連邦規則の制定というアイデアを支持している。
このアイデアは、ケーブル会社や電話会社--つまりAT&TやVerizon Communicationsの意見とは相容れない。Googleなどの各社は、新たなルールによって、長期的にみれば技術革新が抑えられたり、消費者に不利益が及ぶといった、意図せぬ結果が生まれる可能性があると主張しているからだ。これらの企業は、インターネットの中立性を保護するために導入された新法案を支持しない一方で、自分たちのネットワークインフラに対してできることに、より柔軟性を持たせるため、既存規制の緩和を求める請願書を米連邦通信委員会(FCC)に提出した。
Cisco Systemsは電話会社にネットワーク機器を提供している関係から、これらの顧客企業とともに、議会に対して新たな法案制定について警戒感を表明した。CiscoのCEOであるJohn Chambers氏は先週、下院エネルギー・商業委員会(House Committee on Energy and Commerce)の議長を務めるJoe Barton議員(テキサス州選出、共和党)に書簡を送った。この書簡には、Ciscoの見解として、現時点では法案を制定する必要がなく、電話会社は新たなビジネスモデルを構築し、ネットワークの混雑を緩和するために、自らのネットワーク内でさまざまなテクノロジーで実験を試みることが許されるべきだと記されていた。
CiscoのRobert Pepper氏(技術政策担当シニアマネージングディレクター)は、VONカンファレンスに出席し、Chambers氏の考えを代弁した。
Pepper氏はインタビューの中で、「われわれは、(インターネットの)中立性に関して新たな規制が必要だとは考えていない」と述べ、「FCCは、悪者とその悪事を罰するためには既存の政策を用いるべきだ。新たな規制は、技術革新を支援するのではなく、それを妨げることになりかねない」と説明した。
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