アマゾン、DVDのダウンロード販売を検討--大手映画会社3社と交渉

坂和敏(編集部)2006年03月10日 18時06分

 New York Times紙(電子版)が米国時間3月9日に報じたところによると、Amazon.comが新しい動画コンテンツの販売サービスを検討しているという。この有料サービスでは、ユーザーがオンラインからダウンロードした映画やテレビ番組を、自分でDVDに記録することが可能になる。

 Amazonでは、Paramount Pictures、Universal Studios、Warner Brothersの大手映画会社3社に対して、このサービスの概要をすでに説明しているが、まだ各社との交渉が残されており、サービスの開始時期や価格設定などについてははっきりしていない。

 米国市場ではすでに、Walt DisneyのスピンオフであるMovieBeam(Cisco SystemsとIntelが支援)や、Paramount、Universal、Warnerの各社と提携するMovielink、AOLのIN2TV、さらにCinemaNowなどが、ビデオオンデマンドサービスを展開しているが、いずれもいまのところは、ダウンロードしたコンテンツのDVDへの保存は認めていない。

 一方、DVDパッケージの取り扱いに関して、すでに全米有数の大手小売業者となっているAmazonも、CDの販売などではAppleのiTunesをはじめとするオンライン各社の成長の影響を被っている。そのため、これに対抗すべく、「ハードウェア込み」の音楽配信サービスを検討しているとの話もしばらく前に報じられていた。また、一歩先にiTunesで音楽ビデオやテレビ番組のダウンロードサービスを開始したAppleが、長編映画等の配信に乗り出すとの憶測も再三浮上していることから、Amazonが動画コンテンツに関しては、そうなる前に積極策に打って出る可能性も考えられる。

 Amazonは1998年に、The Internet Movie Database(IMDB)を傘下に収めており、今回報じられたようなサービスが実現するとすれば、このIMDBがAmazonにとって強力な武器になると、New York Times紙は述べている。IMDBサイトは現在最もアクセス数が多い映画サイトで、2005年2月からの1年間にユニークビジターの数が41%増加したという。comScore Media Metrixによると、先月同サイトにアクセスしてきたユニークビジターの数は1510万人と、Yahoo Moviesの1210万人を大きく上回っていたという。GoogleやYahooの検索を使って、DVDタイトルを探す人間が増えているため、このようなアクセス数の多さはAmazonにとって有利な材料となる。

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