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インターネット上で脅かされる表現の自由--米で報告

2005/12/06 21:17
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 ウェブサイトの運営者やリミックスアーティストらは、著作権法の曖昧さが原因で、表現の自由が抑圧されていると感じていることが、最近の調査で明らかになった。

 米国時間5日にニューヨーク大学ロースクールのブレナンセンターで、表現の自由を擁護する2人の人物が、今いわゆる「フェアユース(公正使用)」の権利が攻撃にさらされているとする報告書を発表した。同報告書には、著作権侵害に対する罰則の軽減や、公正使用者であるにも関わらず著作権侵害の嫌疑をかけられた人々を無料で弁護する弁護士の増員など、6つの思い切った改革案が提示されている。

 公正使用は、昔から存在する著作権法の原則であり、その目的は、「批評、解説、ニュース報道、教授(教室における使用のために複数のコピーを作成する行為を含む)、研究、調査などの目的のために」という著作権法の文言に則った使用である場合に、著者や製作者の許可を得なくても、著作権で保護された著作物の複写/引用を認めることにある。同法には、仮に著作物の使用に関する法改正が行なわれた場合に、当該使用が実際に「公正」であるか否かを判断するための4方面からのアプローチが示されている。

 しかし、それ以上に、「実際に、正確かつ簡潔な(公正使用の)定義が存在しないため、何がそれに当たるのかが全く分からない」と語るのは、ブレナンセンターのFree Expression Policy Projectの取りまとめ役を務め、さらに「Will Fair Use Survive?(公正使用は存続するか)」と題された同報告書の共同執筆者でもあるMarjorie Heinsだ。

 同報告書を作成するために2004年末に開始された調査では、およそ300人の利害関係者を対象とした調査や、著作権法違反に問われている人々に送付された手紙を詳細に調べるなどの作業が行なわれた。その過程でHeinsは、公正使用の原則に関する多大な混乱と、同氏が理不尽と考える数多くの著作権侵害の主張に遭遇したという。

 そうした例のなかには、1997年に「Tatooine.com」と呼ばれる個人ウェブサイトを開設したある男性の話も含まれている。このサイトの名前は、映画「Star Wars」の第1作に登場する架空の惑星にちなんで名付けられた。開設から3年後、Star Warsの製作を手掛ける映画製作会社LucasFilmは、同サイトの所有者にURLの使用停止を求める文書を送付した。同サイトの所有者は、このサイトには家族の写真、詩、小説といった一般的な個人サイトに掲載されている類のコンテンツしか掲載されておらず、Star Warsに関連するコンテンツは一切ないと反論したが、LucasFilmはそれでもサイトの引渡しを要求したという。

 このサイトの所有者は、LucasFilmと裁判で争う経済的余裕はないと考え、結局LucasFilmと秘密協定を結んだ。現在、同社はそのURLを所有し、そのURLへのアクセスをStar Warsの公式サイトにリダイレクトしている(皮肉なことに、Star Warsの生みの親であるGeorge Lucasは、映画の一部のシーンを撮影した砂漠近くに位置するチュニジアのTataouineという都市名にちなんで、その惑星をTatooineと名付けた)

 Heinsの報告書によると、著作権や商標の所有者らが、インターネットサービスプロバイダ(ISP)に手紙を送付し、自分らの権利を侵害していると判断したサイトを閉鎖するよう圧力をかける、いわゆる閉鎖通知によっても、同様の「萎縮効果」が現れるという。

 そのような通知がなされるのは、1988年に制定されたデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に、ISPや検索エンジンは、著作権保有者がDMCA違反だと主張するサイトやコンテンツなどを「即座に」削除すれば、著作権違反の法的責任を免れる、とする規定が存在するためだ。これにより、手紙の送付からサイトの閉鎖に至るまでの全体的プロセスが、正式な法的手続きなしに行なわれるおそれがある。

 そのような通知の被害者は、対抗手段として、逆に著作権者や商標の所有者に通知を送付し、彼らの主張に対して異議を唱えることができるが、Heinsによると、事務手続きが複雑である場合が多いという。同報告書では、適切な公正使用とはどのようなものかを明確に示すだけでなく、疑わしい閉鎖通知の例などを掲載したウェブサイトの開設を提案している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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