TBS、デジタルコンテンツビジネス企業へ向け大規模な資本・業務改革へ - (page 2)

別井貴志(編集部)2005年08月31日 16時17分

 TBSが新規に投資する分野は、(1)モバイル事業に約100億円規模、(2)デジタル音声放送事業関連と1セグメントサービスに関連するビジネス開発、これに伴うインターネット新規事業に約50億円規模、(3)コンテンツ関連事業に約120億円規模としている。

 (1)は将来の移動体放送ビジネスの可能性を見据えて新規のモバイル通信事業へ投資する。(2)は、新放送サービスとして現在試験放送されているデジタル音声放送事業へ投資する。デジタル音声事業とは、高音質の音声放送に加えて、ニュースや気象情報などの文字データや静止画を提供できる放送サービスのことだ。また、2006年の春に開始される地上デジタル放送の番組を携帯電話などを使って閲覧する1セグメントサービスに関連するビジネスの開発にも投資する。さらに、(3)は映像コンテンツ・マルチユースの一貫としてDVDの販売や映像配信事業の拡充、国内外での大型コンテンツ制作や権利獲得のための企画、またはこの分野におけるファンド設立による投資など、デジタルコンテンツビジネスに関する投資を行う。

 こうした全体戦略の中で、今回の増資などを引き受けた4社もそれぞれ以下のように関わっていく。

電通

[TBSとのこれまでの関係]
TBSの創業以来、TBSグループとの間で放送事業を中心に各種広告関連、イベント・興行展開において密接な協力
[今後の協力関係]
国内外での映像関連など大型コンテンツの制作や権利獲得のための企画や投資について、ファンドの設立なども含めて両社で検討していく。さらに、IPネットワークを介した高画質テレビ放送をオンデマンドで配信するIPTV事業に関して検討することに加えて、その他の事業領域についても、両社間で「業務提携委員会」を設置し、共同プロジェクトの可能性と具体的方策を検討する。それによっては、パートナーシップを一層強化するために、TBSが電通に出資することもありえる

ビックカメラ

[TBSとのこれまでの関係]
放送番組を中心とする広告出稿の取引
[今後の協力関係]
ビックカメラは日本ビーエス放送を通じて放送事業に参画してきたが、今後さらに放送事業経営を発展させる計画を進めているため、TBSグループの有するコンテンツ制作力や放送事業に関連するノウハウを活かして、ビックカメラに番組供給やアドバイスすることを検討していく。また、ビックカメラは引き続き広告出稿を通じて番組やコンテンツ制作に協力するほか、店舗やインターネット上の会員組織を活用した番組、インターネット、モバイルでの新しいショッピング事業を共同で研究していく

三井物産

[TBSとのこれまでの関係]
放送番組を中心とする広告出稿の取引やメディアコマース事業、BSデジタル放送などへの共同出資
[今後の協力関係]
携帯電話向けのデジタル放送を活用したインターネットサービス事業への共同出資を推進する。このほか、放送会社から提供する番組関連データを受信機に蓄積・保存し、視聴者が好きな画面だけを呼び出して再生できる「サーバ型放送事業」に関する共同研究や、オリジナルコンテンツの共同企画・制作を検討していく

毎日放送

[TBSとのこれまでの関係]
TBSをキー局とするネットワークJNNの基幹局
[今後の協力関係]
映像コンテンツ・マルチユースの一環として、DVDの販売や映像配信事業の拡充における協力、2007年開催予定の世界陸上大阪大会の放送における共同企画などを進める。また、国内外での映像関連の大型コンテンツ制作や権利獲得のため、毎日放送がアニメ−ション制作などのノウハウを活かして、TBS、電通をはじめとするパートナー企業とともに共同事業を進めることを検討していく

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