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米最高裁判決をかみしめるPtoP業界各社の動き

2005/07/04 20:14
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 Sony Music Internationalの元社長、Robert Summerは、米最高裁が6月27日に下した判決を読んで衝撃を受けた。最高裁は同判決の中で、ファイル交換サービスGroksterの合法性に異議を唱えていた。

 Summerは判決の結果に驚いたわけではない。事実、同氏は最高裁が音楽業界に有利な判決を下すとの確信の下に未来の計画を立てていた。全米レコード協会(RIAA)の元会長でもあるSummerは3カ月前、人気ファイル交換サービス企業iMeshの会長就任に合意していた。同社は、無秩序なダウンロードサービスからレコード会社公認の合法サービスに生まれ変わろうとしているところだ。

 それでも、Summerにとって同判決が最高裁判事の全員一致で下されたのは予想外だった。同氏は、マンハッタンのミッドタウンにあるiMesh本社の自分のオフィスから、今でもSony Musicの最高幹部を務めている友人に連絡を取り、意見交換を行なった。その後、他の音楽業界関係者にも連絡を取り、軽く祝いの言葉交わした後、音楽業界の今後について話し合った。

 70歳のSummerは6月28日に行なわれたインタビューの中で、「(判決に対する)全体的な反応は上々だった」としながらも、「数時間、数日と時間が経過するにつれて、取り組むべき課題の多さを実感している」と語った。

 当面の課題は、GroksterとStreamCast Networksの法的責任を認める今回の判決が、ファイル交換、音楽、映画の各業界の将来にいかなる変化をもたらすかを把握することだ。無秩序なPtoPネットワークの根絶には程遠いが、今回の判決が、違法なファイル交換によって利益を得ようとする企業の未来に暗い影を落としたことは間違いない。

 PtoPソフトウェア企業の法的責任を否定した過去の2つの判決のおかげで、PtoP企業は過去2年間、レコード業界や映画製作会社による相次ぐ訴訟攻撃を受けながらも、比較的安全に事業運営を行なうことができた。

 しかし、最高裁判事が全員一致でPtoP企業の法的責任を認める判決を下したいま、大手コンテンツ企業の照準はすでに、これまで何とか裁判に巻き込まれずにきたLimeWireやeDonkeyなどのPtoPソフトウェア企業に向けられている。

 この裁判で、レコード会社と映画製作会社の弁護人を務めたDonald Verrelli弁護士は、27日に行なわれたインタビューの中で、「(最高裁判決に)適用されたのと同じ原則が、(Groksterらと)同じ事業に従事している他の企業にも適用される」と述べ、さらに「それらのPtoP企業は、GroksterやStreamCastと同じ方法で同じ事業を展開していることから、今後それらの企業も提訴することになるだろう」と語った。

 一方、ファイル交換ソフトウェア企業の幹部らは、今回の判決についてほとんどコメントしていない。最大手PtoPソフトウェア企業のBearShare、LimeWire、eDonkeyの幹部らは、コメントの要求に応じなかった。ただ、New York Timesの記事によると、LimeWireのある幹部は、PtoPサービスの将来に危機感を抱いていると語ったという。

 i2Hubというファイル交換ネットワークの創設者であるWayne Chang(21)は、今後も大学を中心としたPtoPサービスの運営を続ける、と慎重に言葉を選びながら語った。i2Hubでは、ファイル交換サービスに加えて、テキスト販売の支援やFriendsterに似た出会い系サービスを手掛けている。すでに複数のi2Hubユーザーが同ネットワーク上で映画を交換したとして起訴されているが、同社は違法行為の助長や誘発はしていないため、今回の判決によって閉鎖される危険はないはずだ、とChangは主張する。

 「われわれは、著作権保有者の権利を侵害する活動および行為を容認も促進もしていない」と述べ、さらに「向こう数日間、数週間の事態の展開を見守りたい」(Chang)

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