「Patriot Act」の全面的な更新を訴える米司法省

Anne Broache (CNET News.com)2005年07月01日 20時03分

 2005年末に失効する「Patriot Act(愛国者法)」の一部の条項を更新すべきか否かをめぐる討論会が米国時間6月30日に開かれ、米司法省と同法の反対派が激しい論戦を繰り広げた。

 米議会は、2001年9月11日の同時多発テロ発生後、数週間という短期間でPatriot Actを成立させたが、その際、同法の一部の条項に有効期限が設定された。現在、議員らは今年の12月31日に失効予定の16条項を更新すべきか否かを検討している。

 Internet Caucus Advisory Committee(インターネットコーカス諮問委員会)が30日に連邦議会で開催した討論会で、司法省の2人の代表者が講演し、Patriot Act更新の重要性を訴えた。

 司法省の立法問題部門の司法次官補、William Moschellaは「最初の段階は終わった。つまり、公聴会を開く段階は終わったということだ」と述べ、さらに「われわれはPatriot Act全体が再承認されることを希望している」と語った。

 さらに、同省の立法問題部門刑事部に所属するPatrick Rowanは、「われわれは(Patriot Actが)必要な情報を入手する上で大変有効なツールになると判断した」と付け加えた。

 計4人が参加したこの討論会では、主にPatriot Actの215条と213条の2つの条項をめぐり、両陣営が90分以上にわたって論戦を展開した。215条は、FBIに、同局自らテロの捜査に役立つと判断した様々な記録の入手を認めている。また213条の下では、捜査当局は所有者に事前に通知することなく、捜査令状を執行して財産を没収することができる。この213条に対しては、「(警察による)忍び込みと覗き見を認める令状」との批判の声が上がっている。

 これら2つの条項のうち、215条だけが今年末に失効する。しかし、米国図書館協会(ALA)の副事務局長、Emily Sheketoffは215条の更新案を激しく批判した。ALAはこれまで、警察が図書館の活動に与える影響を研究してきた。

 Sheketoffは、「(Patriot Actには)ある程度の透明性が必要」とし、その理由として、「(各図書館は)司法省が何をしているのかを全く把握できていないため」と説明した。

 司法省は、図書館に提出を要求する文書や資料の種類および提出の頻度に関する「全ての事実」の発表が可能であり、たとえ発表しても捜査に支障は来さない、とSheketoffは指摘した。

 これに対しMoschellaも、警察が調べたいのは「一般の米国市民」の読書習慣ではない、と応戦した。「テロリストやスパイは公立の図書館を利用した。図書館は安全な場所という意見には100%反対だ」(Moschella)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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