お使いのブラウザは最新版ではありません。最新のブラウザでご覧ください。

デジタル技術の限界に挑んだドリームワークス最新作「マダガスカル」

2005/05/24 19:46
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 大ヒットを記録したアニメ映画「Shrek 2」に次ぐDreamWorks Animationの新作「Madagascar」は、極めて困難な技術的挑戦がスクリーン上で展開された映画と言えるだろう。

 Madagascarでは、動物園で見られる数頭の動物と数百匹のキツネザルが、映画のタイトルでもあるマダガスカル島を舞台に活躍する。この映画を製作するにあたり、アニメーターらは、人目を引き、なおかつリアリティのある効果を演出するために技術の限界を打破しなければならなかった。映画に登場するすべての動物の毛は、その1本1本が一連のコンピュータコードで表現されている。わずか1シーンの映像をつくるために、無数のアルゴリズムを徹夜で圧縮し、レンダリングする必要があったが、それもこうした高度な表現を形にするためだった。

 たとえば、この映画に登場するキャラクターの1つで、Ben Stillerが声を吹き込んだ「Alex the Lion」には170万本のたてがみが生えており、その1本1本が1と0で構成されるプログラムによって表現されている。だが、ほんの2、3年前までは、1シーンにわずか5頭の毛皮獣を表現することさえほとんど不可能だった。そんなことをすれば、おそらくコンピュータの砂時計アイコンが消えるまで数カ月間を要しただろう。しかし、Madagascarのなかで動物たちがダンスをするシーンでは、1度におよそ1000頭の画面のなかに登場している。

 「4年がかりで製作されたこの映画には、かつてないほど膨大な画像データが盛り込まれており、それをレンダリングしたり、光や影をつける作業が必要だった」と語るのは、MadagascarのビジュアルFXスーパーバイザー、Philippe Gluckman。同氏はさらに、「数年前であれば、5、6頭のキツネザルを表示するだけでメモリ不足に陥っていただろう」と付け加えた。

 この映画の監督が語っているように、新しいアニメーション映画を製作する上では、近年のコンピューティング能力の飛躍的向上や、コードを意のままに操る方法の習得が重要な鍵を握っている。またファイルを圧縮するソフトウェアによって、各シーンのレンダリングや仕上げに要する時間が短縮されている。

 なかには、そのようなコンピューティング技術の向上がアニメの黄金時代の到来に一役買ったと言う人もいる。つまり、技術の向上に刺激を受けた映画製作者やアニメーターらが、これまで見たこともない映像効果を作り出し、観客をうならせ、数々の受賞につながったというわけだ。Pixarの「The Incredibles(邦題:Mr.インクレディブル)」は今年のアカデミー賞最優秀長編アニメ映画賞を受賞した。2001年にはDreamWorksの「Shrek」が、同年に新たに設けられたアカデミー長編アニメ賞を受賞している。

 コンピュータ技術を駆使して製作されたアニメ映画は、その驚くべき視覚効果と巧妙な脚本で観客の喝采を浴びている。しかし、アニメ映画業界およびその背景にある技術は未だ初期段階にある。そのため業界内の競争意識は激しさを増している。将来はアニメ技術のさらなる飛躍的向上が予想されており、いつか実在の俳優を完全に再現できるような、実物に近い肌の色や顔の表情を作り出せる日が来るかもしれない。

 DreamWorksの共同創設者であるJeffrey Katzenbergは、自ら製作にあたった映画「Madagascar」のプロモーションをかねたパネルディスカッションの中で、「夢を描ければ、実現できる。ハイテク技術がそれを可能にしてきた」と語った。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
個人情報保護方針
利用規約
訂正
広告について
運営会社