ハーバード大総長の女性差別発言を糾弾せよ--イェール大女性グループが要求

Ina Fried (CNET News.com)2005年02月23日 22時18分

 ハーバード大の総長が先月、科学/工学分野に関する女性の能力を疑問視する発言を行って論争を巻き起こしたが、米国の教育界ではこの発言の余波がいまだに広がり続けている。

 米国時間22日、イェール大学ではあわせて100人の女子大学院生と教員が、同大学のRichard Levin総長に対し、ハーバード大のLawrence Summers総長が行った発言を公式に非難するよう求める陳情書を提出した。

 Levinはこれまで、Summersの問題発言について沈黙を続けてきた。Summersは、1月に開かれた科学分野における多様性をテーマにした会議のなかで、数学や科学の分野で最高位まで上り詰めた女性が男性に比べて少ない理由について、いくつかの仮説を述べ、文化や差別よりも、育児などの家庭の事情や「(女性)固有の資質の問題」がより大きく作用している、と発言した。

 イェール大学の女性グループは、Levinに提出した陳情書のなかで、Summersへの批判だけでなく、同大学において女性が活躍できる機会を拡大することも要求している。

 「貴兄は、米国学術界の指導者として振る舞う立場にありながら、イェール大学で終身在職権を持つ女性教授を増やすことへの決意を表明する機会を逃しただけでなく、本大学が他校に先駆けて女性の地位向上に取り組み、全米の大学にとって模範となるための施策を実行する機会も逃してきたとわれわれは考えている」(同陳情書)

 この陳情書を作成したイェール大学の女性グループは、任期についてのより柔軟な方針や、学生が利用できる安価な保育/医療サービスの提供といった、新たな女性優遇策も求めている。

 同大学の広報担当者は、LevinがSummersの発言について直接言及する可能性は低いと述べ、多様性についてのイェール大における同氏の立場を弁護した。

 「Richard Levin総長は、在職期間中、女性やマイノリティの教職員の増員を最優先事項に位置づけてきた。実際、イェール大学では、過去10年間で女性教職員の人数が倍増している」(同大学広報担当)

 しかし、Levinへの陳情書には、イェール大学にはさらなる改善の余地があると書かれている。同陳情書によると、2002年時点のイェール大の終身在職権のある女性教職員の割合は、物理科学部門でわずか5%、生物科学部門でもわずか18%だったという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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