テレビコマーシャルのような広告の全オンライン広告に占める割合は現在のところほんのわずかだ。だが、大手製薬会社Pfizerのような大企業が、MSN Videoのようなサービスにこれまで以上の予算を割り当てるようになっており、状況は変わりそうだ。昼間のテレビ広告展開で最大手のProcter & Gambleもこの流れに乗じ、既存のAOL Videoサービスで広告を打っている。
「今年は、広告の転換期にあるといえる。広告主の興味が変化しており、従来は別のメディアに割り当てられていた広告予算が、オンライン広告に振り分けられるようになってきた。そのなかでもビデオ配信の重要性が高まっている」とYahooのブロードバンド戦略担当広告営業ディレクターMark McLaughlinは言う。「ビデオ配信を利用するユーザーの規模という点でも今年は転換期といえる」とMcLaughlinは付け加える。
AOLやライバル各社は、広告市場全体が回復していることから、テレビコマーシャルのようなオンライン広告が増えると見ている。調査会社のeMarketerは、2004年には90億ドルだったオンライン広告の売上高が、来年は110億ドル以上になると予想している。多数のインターネット関連企業の幹部や投資家が、ビデオ広告こそ2005年の最大成長分野だと予測しているが、現在のところビデオ広告はさほど流行していない。
今年前半、ビデオやストリーミングを利用するいわゆる「リッチメディア広告」の、全オンライン広告に占める割合はわずか8%だった。売上高は、前年同期比24%増の3億7000万ドルだった。これに対して、急成長中の検索分野では、年間成長率93%を記録している。
「リッチメディア広告は、開発とテストにコストがかかることから、成長が一時的に中断していた」とPricewaterhouseCoopersのメディアアナリストPete Petruskyは言う。「だが(米国では)、ブロードバンドの普及世帯数がクリティカルマスの3000万世帯に近づくにつれて状況が変化してきた。ブロードバンドがあれば、企業は広告を通してユーザーにリッチなエクスペリエンスを提供できる。そのため、ブロードバンドの普及世帯数は重要なしきい値となるだろう」(Petrusky)
多くのオンライン企業が、リッチメディア広告に対する需要の高まりに乗じようと、新しいビデオサービスをメニューに追加したり、ビデオ映像を作成したりしている。たとえば、The Wall Street Journal Onlineは先週、ニュースをビデオ配信するコーナーを開設している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」