「セキュリティを自社戦略に利用」との声も
Windows関連のセキュリティ問題により、ネットが続けざまに危機にさらされていることから、ある業界アナリストはMicrosoftにActiveX制限の動きを擁護している。
「全てのユーザーのためにセキュリティを強化すると、一部のISVやエンドユーザーに不便が生じるというトレードオフがあるとしても、選択の余地はあまりないだろう」とBurton Groupのアナリスト、Peter O'Kellyは述べている。
Microsoftに批判的な人々は、同社のセキュリティ方策が、他社を犠牲にして自社のビジネスを強化するようなやり方で実装されていると示唆する。
たとえばSt. Johnは、一般的なウェブ技術からMicrosoftの.NetフレームワークとC#プログラミング言語に切り替えれば、新ActiveXセキュリティプロトコルを迂回することが可能だと指摘する。St. Johnのサイトで遊ぶゲーマーの多くはダイアルアップで接続しているため、.Netは比較的ダウンロード量が多く好ましくないと同氏はいう。
「ActiveXが使えなくなることで、.Netを検討せざるをえなくなるかもしれない。これらは全て、セキュリティが口実になっているのだ」(St. John)
ActiveXが使いにくくなることで、Microsoftの技術と競合するいくつかのソフトウェアに不利な影響が生じる可能性もある。AppleのQuickTimeメディアプレイヤー、RealNetworksのRealPlayer、Adobe SystemsのAcrobatドキュメントリーダー、MacromediaのFlashアニメーションソフトウェアやFlexアプリケーションサーバソフトウェアなどが、こうしたソフトウェアに当てはまる。
Flashを利用した、インターネットベースのアプリケーション作成用ソフトウェアのメーカーは、事態をもっとシンプルに捉えている。
「ネットでのセキュリティ問題の多くは、ActiveXとは無関係だ」とLaszlo Systems(本社:サンフランシスコ)の最高技術責任者(CTO)David Temkinは述べる。「Microsoftはセキュリティを、クライアント技術の支配を強めるチャンスとして利用しているのだ。これはFlexやReal、QuickTimeなどなどにとっては望ましい事態ではない」
これに対し、Microsoftは、セキュリティを戦略の口実に利用しているとの意見を却下した。
「われわれが変更を加えたのは顧客の利益のためであり、顧客に最大限の情報と権限を与え、インフォームドコンセントを図るためだ」(Stamper)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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