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MP3の生みの親が送り出す3Dサウンドに脚光

2004/07/26 12:43
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 MP3フォーマットを発明したエンジニアの1人が、オーディオに革命をもたらしそうな新技術を引っさげて再び姿を現した。同氏は、この新技術が劇場、テーマパーク、そして将来的にはリビングルームにまで対応する超現実的なサウンドを生み出すと期待している。

 Fraunhofer Institute for Media Technologyのディレクター、Karlheinz Brandenburgは、共同開発チームとともに先週カリフォルニア州ロサンゼルスを訪れ、ハリウッドのスタジオ関係者やDisneyなどの業界大手に新しい「Iosono」技術を披露した。同氏は、同じくFraunhoferで生み出されたMP3フォーマットに関して、その開発につながる多くの仕事を残したとされる人物だ。

 同氏はチームのメンバーとともに、自分たちの新製品を「3D」オーディオとして大々的に売り込んだが、この技術を使えば、馬が劇場の中央通路を駆け抜けるような錯覚を起こさせたり、音をピンポイントで再生し、だれかが劇場の外で叫んでいるように聞こえるようになるという。既存の最高のサラウンドスピーカーでも、これに近い効果は出せるが、その効果は数十センチ四方という範囲の狭い「スイートスポット」に限られる。だが、Iosonoシステムでは同じリアルな効果を部屋全体で実現できる。

 Brandenburgはインタビューに答え、「自分がどこか別世界にいるように感じさせるImmersive Audio向けのものを作り出すのが夢だった。PCは現在(必要な)処理をリアルタイムで行えるほど高速になっている。10年前なら、こんなことをするのは現実的ではなかった」と語った。

 このプロジェクトは、記録音の再生方法が、1870年代後半にThomas Edisonが初めて録音の研究を始めて以来の大躍進を遂げることを意味する。ビデオがデジタルカメラやコンピュータのプロセッサによって完全な変貌を遂げつつあるように、オーディオの制作や再生も最新世代のPCやプロセッサによって大きく変わりつつある。 

 音の増幅方法は、長年の間ほとんど変わっておらず、音の波を電気的なパルスに変換し、これをスピーカーで音へ復元するというやり方がずっと使われてきている。2つの音源を使って幅広い空間で音がするような錯覚を起こすステレオあるいは「バイノーラル」サウンドの特許が初めて申請されたのは1930年代前半のことだった。

 このテクニックは、今日の洗練されたオーディオシステムへと徐々に発展してきた。音は「チャネル」単位でスピーカーに分割され、微量のエコーやリバーブをかける録音技術が加わり、聞き手の周囲全体から音がするような、現実に近い印象が生まれるようになってきた。

 しかし、このような解析の多くは、聞き手がスピーカーのちょうど中間点にある完璧な位置--つまり、音の波が接触し、相互に干渉して、正確な錯覚が生まれる場所にいるとの原則に基づいている。

 アカデミー賞受賞経験のある映写技師/ビジュアルエフェクトエンジニアで、Iosono技術のデモを見たDavid Stumpは、「この分野では、周波数特性の微調整と盲目的な出力アップが開発の中心だった。Iosonoは、音の本質と、人の耳にどのように聴こえるかだけをインテリジェントに分析し、それを異なる手法で応用するとのアプローチをとっており、その点が従来のものとの違いだ」と語った。

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