有力IT企業各社が連合結成--米著作権法改正に向けロビー活動

 ハリウッドとシリコンバレーの著作権をめぐる冷戦が熱気を帯びようとしている。

 著作権保護の強化を求めるコンテンツ制作会社と、一方のハードウェアおよび通信企業との間の論争は、結果的に米議会における立法化作業の行き詰まりを招いてきた。

 有力IT企業各社は米国時間22日、現在の難局打開に向けた連合結成の発表を予定している。「Personal Technology Freedom Coalition」と呼ばれる同組織の(少なくとも当初の)目的は、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)の中でも最も論議を呼んでいる条項に反対するロビー活動を各社が連携して行う点にある。

 現在、DMCAの中で論議を呼んでいる条項は、コピー防止技術の迂回、あるいはコピー防止技術の迂回を主目的として設計/開発された製品を配布してはならない、と大まかな表現で記述されている。映画業界やレコード会社、さらに多くのソフトウェア開発企業が、同条項の存続を声高に訴えている。著作権侵害行為を減らすためには、DMCAが法的根拠となっているデジタル著作権管理(DRM)システムが必要、というのが彼らの主張だ。

 しかし、結成間もない連合のメンバーである、IntelやSun Microsystems、Verizon Communications、SBC、Qwest、Gateway、BellSouthらは、Rick Boucher下院議員(ヴァージニア州選出:民主党)が提出したDMCAの問題部分の改正案を支持している。Boucher議員の法案は、著作権侵害行為が行なわれない限り、スクランブル解除用ユーティリティの配布やコピー防止技術の迂回は許されるとしている。

 連合に参加するある企業の関係者が匿名を条件に語ったところによると、すでに同連合の関係者が20以上の議会内組織・団体の代表者と面会したという。連合側の売り込み文句は、DMCAは「公正使用」の権利を侵害しているだけでなく、国家安全保障に必要不可欠なコンピュータに関する研究をも脅かしている、というものだ。

 連合のその他のメンバーは以下の通り。Philips Consumer Electronics North America、全米家電協会(CEA)、米図書館協会(ALA)、電子フロンティア財団(EFF)、米消費者同盟(CU)、米消費者連合(CFA)、Public Knowledge、米視覚障害者協会(AFB)、米国通信協会(USTA)、コンピュータ・情報産業協会(CCIA)。

 Digital Media Consumers' Rights Actと呼ばれるBoucherの法案では、米連邦取引委員会(FTC)にコピー防止技術を施したコンパクトディスク(CD)を規制するための新たな権限が与えられる。具体的には、コピー防止機能付きCDにその旨のラベル添付を義務付け、消費者の誤解を招く恐れのある単なる「CD」の表示の禁止を徹底することにより、音楽販売を監視する権限がFTCに与えられる。

 コピー防止機能付きCDにその旨のラベル添付を義務付けることにより規制する新たな権限をFTCに与えようというBoucherの取り組みに対し、自由市場経済を唱える米Cato Instituteが反対している。Cato Instituteはそれ以外の点では、DMCAの改正というBoucherの目標を賞賛しており、先週開かれた同団体主催の会議ではBoucherが演説を行なった。しかし同団体はBoucherが提案するFTCの新たな権限について、政府にさらなる強大な権限を与えることになると批判している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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