携帯向けコンテンツもQuickTimeで:アップル、QuickTime 6.5の説明会を開催

永井美智子(CNET Japan編集部)2003年12月24日 20時01分

 アップルコンピュータは12月24日、今月19日に発表されたメディアプレーヤーの新版、QuickTime 6.5の製品説明会を開催した。同製品はKDDIがメディアフォーマットとして採用しており、会場ではKDDIのau端末を利用したデモンストレーションも行われた。

 QuickTime 6.5は、第3世代携帯電話(3G)の通信規格、CDMA 2000向けのメディアフォーマット「3GPP2(3rd Generation Partnership Project 2)」を新たにサポートした点が特徴だ。CDMA 2000はKDDIが採用している規格である。さらにQuickTime 6.5では、auの独自フォーマットであるAMCフォーマットにも対応している。これにより、PCとau端末の間で高品質のオーディオ・ビデオコンテンツの共有が可能になっている。

 なお、NTTドコモなどが採用するGSM(Global System for Mobile Communications)ネットワーク向けのメディアフォーマット、3GPP(3rd Generation Partnership Project)については、6月に発表されたQuickTime 6.3ですでにサポートされている。

アップルコンピュータ プロダクトマーケティング ソフトウェアプロダクト担当の古村秀幸氏

 KDDIは10月より開始した最大2.4Mbpsの準定額制サービス、CDMA 1x WINで3GPP2に対応した。具体的には、動画配信サービスのEZムービーが3GPP2に対応している。また、1x WIN端末で撮影した動画をメールに添付して送れる「ムービーメール」では、動画を3GPP形式で送信する。

 アップルでは、3GPPと3GPP2という2つのメディアフォーマットに対応することで、携帯電話向けのコンテンツを制作する企業などに対し、同社のオーサリングツールや編集ソフト、それらを支えるプラットフォームとしてのハードウェアを売り込みたい考えだ。

 携帯電話のメディアプレーヤーは、ライバルのRealNetworksやMicrosoftも狙っている市場だ。これらのライバル企業は自社の技術を携帯端末に組み込むことを狙っている。例えば、米RealNetworksは、米Motorolaの端末に同社のストリーミングメディアソフトRealOne Playerを搭載させるという契約を交わした。また、MicrosoftはNTTドコモが2002年7月に発表したFOMA SH2101Vにおいて、オーディオ圧縮テクノロジー「Windows Media Audio」を搭載されることに成功している。

 しかしアップルでは、あくまでも3GPPと3GPP2といった標準規格をサポートすることで、勢力の拡大を図る方針だ。「端末側に技術を組み込むと、端末メーカーが縛りを受けてしまう。標準規格をサポートすることで、我々だけでなく端末メーカーやコンテンツプロバイダなど、皆でWIN-WINの関係が築ける」(アップルコンピュータ プロダクトマーケティング ソフトウェアプロダクト担当の古村秀幸氏)

 会場では、PCで作成したコンテンツを3GPP2フォーマットに変換し、メールに添付してauのCDMA 1x WIN端末に送信したり、1x WIN端末で撮影した動画をPCで再生するデモが行われた。また、アップルのオーサリングツール「QuickTime Pro」を利用してEZムービー付のウェブサイトを作る方法を掲載したKDDIのサイトも紹介された。

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