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「もう待ちきれない」-MPEG関連団体、独自のDRM標準概要を発表

2003/10/03 20:32
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 コピー防止技術の標準があれば、デジタルコンテンツを扱うビジネスは大きな市場に成長する可能性があるが、現在そうした標準は存在しない。この状況に業を煮やしたデジタルメディア関連の著名な業界団体が、自らこの問題の解決に乗りだした。

 MPEG LA(MPEG Licensing Association)は、音声/映像圧縮の国際標準、MPEG 4に関する特許権を保有する企業がつくる業界団体だが、このほど同団体はデジタル著作権管理(DRM)技術が包含すべき機能の概要を独自にまとめた。MPEG LAは、自らの技術が機能的に十分と考えている特許権保有者に対しても、それらの技術を提出し、再審査を受けるよう求めている。さらに同団体は、これらの技術のライセンスに関する一種の精算機関として機能し、開発者やメーカーが他社で権利を保有する技術を容易に利用できるようにする。

 MPEG LAは、米Microsoftや米IBMが販売しているようなコピー防止製品を作り直そうとしているわけではないが、著作権侵害防止に関する標準の発展を妨げている法、技術、ライセンスを巡る混沌状態を簡素化したいと考えている。

 MPEG LAの広報担当、Lawrence Hornは2日(米国時間)、「強力なDRMシステムがなければ、デジタルコンテンツプロバイダのコンテンツ提供能力が制限されてしまい、プロバイダの意欲もそがれてしまう」と述べ、さらに「これは人々にある程度の安心感を与えるための取り組み」だと語った。

 MPEG LAの発表は、従来型の標準策定作業を避けた内容となっており、メディア業界各社および業界団体のMPEG LAが、安定しないコピー防止ビジネスに対し、業を煮やし続けている現在の状況を反映している。

 まだ初期段階にあるデジタル映画/音楽配信ビジネスにおいて、Microsoft製品がここ数年間に、潜在的ライバル企業数社の経済破綻という追い風を受け、標準化の一歩手前まで行った。しかしメディア企業側は、1つの企業、とりわけMicrosoftのような巨大企業に市場の完全な支配権を与える気にはまだなっていない。

 その結果、メディア業界では、Microsoftと同社のライバル企業の双方を試す一方で、ISOの専門委員会であるMoving Picture Experts Group(MPEG)の支援の下で開発されているようなオープンスタンダードの試みも注視してきた。これまでMPEGでは、コピー防止用のコンポーネントについての提案は行ってこなかったが、現在徐々にこの問題解決に向けた取り組みを開始している。

 しかしMPEG LAは待ちきれない。

 MPEG LAが作成した容認可能なDRM技術の概略は、従来の標準を意図して作られたわけではなく、また業界の専門家で構成される委員会などが時間をかけて、じっくり吟味したわけでもない。この概略には、ある特定のやり方や構築方法が示されているわけではなく、同団体が、平均的かつ容認可能なコンテンツ保護システムに包含されるべきだと考える、各種機能の"高水準の"概要を提供しているにすぎない。

 MPEG LAは、特許取得済みのコピー防止技術を有する全ての企業に、それらの技術を提出するよう求めている。仮にある技術が、MPEG LAで作成した概略に適合すると同団体が判断した場合、その技術は、特許権保有者の許可を得た上で、即時にライセンス提供が可能な特許権のリストに記載される。そのリストは、コンテンツ保護機能を備えた独自の機器やソフトウェアを開発したいと考えている、全ての個人または企業が入手できるものとする。MPEG LAは、単に入手可能な全てのDRM技術を、その価格と共に掲載したリストを提供し、興味を持った人が利用できるワンストップショップの役割を果たすにすぎない。

 すなわち、仮にSamsungがDRM技術をサポートした新しい携帯ビデオプレイヤーを開発したいと考えたとすると、同社は必要なライセンスを取得するために直接MPEG LAにアクセスすればよく、他者が保有する無数の特許を検索して、それぞれにライセンス供与を受ける必要はない。

 この試みへの参加企業が十分な数に達すれば、MPEG LAの包括的な概略は、標準並の影響力さえ持つことも可能で、遅々として進まない標準策定プロセスを経ることなく、人々がDRMに期待していることを推進する可能性がある。

 少なくとも、デジタルメディア企業数社がMPEG LAの構想に関心を示している

 「MPEG LAの取り組みにより、DRMの実現を阻んでいる障害が除去されると確信している」と語るのは、数多くのDRM関連特許を保有するInterTrustのCEO、Talal Shamoonだ。「公表された公平無差別な価格表があれば、そこに市場ができることは歴史が証明している」(Shamoon)。

 しかし、この試みは、Microsoftのような大規模な企業が参加するか否かにより、その成否が左右される。InterTrustは、Microsoftのほとんど全てのコンテンツ保護技術が、同社の特許権を侵害しているとして、Microsoftを提訴している。しかし、市場におけるMicrosoftの地位を考えれば、同社は訴訟の結果如何を問わず、いなかる主要なDRMクリアリングハウスにおいても中心的存在になることは明らかだ。

 ポートフォリオに大きな穴があれば、潜在顧客に対する利便性を損なう可能性があるが、たとえそのような状態であってもクリアリングハウスの設立は可能だ、とMPEG LAのHornは語る。なおMicrosoftはMPEG LAの構想について、まだコメントを発表していない。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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