「またコンピュータが使える」:さすらいのハッカー、保釈へ

 ニューヨーク発―連邦裁判事は12日(米国時間)、住所不定のハッカーAdrian Lamoが、10月に予定されている次の出廷日まで保釈となり、また使用目的の制限付きながらコンピュータも使えるようになる可能性があると述べた。

 連邦治安判事のDebra Freemanは、Lamoの保釈金については当初の25万ドルという金額を据え置いたが、コンピュータの全面使用禁止に関してはこの制限を取り除いた。ただしFreemanは、Lamoのコンピュータ使用を、電子メールと職探し、あるいはカレッジへの入学応募手続きに限定する、と述べている。カリフォルニア州出身で22歳になるLamoは、New York Timesのネットワークに侵入した容疑で告訴されている。

 またFreemanは午後の聴聞会のなかで、Lamoのコンピュータ使用は「公判まで監視される場合がある」と述べた。また、その他の制限として、Lamoにサクラメント市の両親のもとで生活すること、24時間以上家から離れる予定があれば裁判所に知らせることを命じた。なお、Lamoの両親は、息子の保釈金の費用にあてるため、住居を競売にかけている。

 連邦検事補と、Lamoの公選弁護人の両者もこの条件に合意した。Joseph DeMarco検事は、Lamoはパソコンを「学校探しだけでなく、その後学校や仕事を続けるためにも」利用できると付け加えた。

 Freemanは、Lamoに向かって権利も読み上げ、Lamoがほぼ無一文であることを示す金銭に関する供述書を調べ、さらに保釈の条件は「訴えの内容と公判前の報告書に基づき、妥当である」と述べた。

 Lamoはまだ起訴されていないため、罪状認否手続は行なわれていない。検察側は30日以内にLamoを起訴する予定で、また判事は次の聴聞会の予定を10月14日とした。

 Lamoの弁護士であるSean Heckerは、聴聞会後のコメントを差し控えた。またLamoも「いい天気だ」と述べた以外はコメントしなかった。

 大胆不敵なハッキングとメディアのあしらい方の巧さ、そして根無し草のようなライフスタイルで、ハッカー界では伝説的人物のように見られているLamoには、2つの刑事責任がかけられている。1つはNew York Timesのコンピュータに侵入し、従業員の機密記録を見て偽の管理者アカウントを作成した罪で、もう1つは、New York Timesが持つLexis-Nexisのアカウントを約30万ドル分濫用したという罪だ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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