アーカイブをデジタル化する、英BBCの「デジタル革命」

 英国最大の放送局BBCのGreg Dyke会長は英国時間24日、同局では番組のアーカイブをデジタル化し、オンラインで自由にダウンロードできるようにする計画だと語った。

 同氏は、エジンバラ国際テレビフェスティバルで行ったスピーチのなかで、「BBCは、おそらく世界最高のテレビ番組ライブラリを持っている。効果的な配布手段がなかったため、これまでこの膨大なリソースが仕舞い込まれたままで、一般の人が利用することはできなかった。しかし、デジタル革命とブロードバンドによって、すべてが変わりつつある」と述べた。

 「初めて、BBCの保有するコンテンツという貴重な掘出し物を、誰もが簡単かつ手頃な値段で利用できるようになる」(Dyke)

 BBCは2つの公共テレビ局、24時間ケーブルニュースチャンネル、5つの国内ラジオネットワーク、インターネットニュースサービスとデジタルケーブルステーションを運営している。また、国際テレビ局を運営するBBC WorldwideとBBC Broadcastも経営している。Dykeによれば、BBCはBBC Creative Archiveを設立し、同社の特定の番組を英国に住む人が利用できるようにする計画だという。この計画が実現すると、たとえば、家庭や図書館でブロードバンド接続を使っている学生は、BBCの資料にアクセスして、宿題を仕上げたり、マルチメディアを駆使したプレゼンを作成できるようになる、と同氏は説明した。

 このような無料サービスがいつ頃から利用できるかについては、Dykeは言及しなかった。

 BBCのこの動きは、多くのメディア企業が自らの資産をアナログからデジタルに移行し、商業利用の方法を模索しているなかで出てきたものだ。米CNNや米Walt Disneyのような企業は、自社のメディアをデジタル化を進めている最中で、またNational Geographicのような企業は、写真のような貴重な資料の権利を売り始めている。

 BBCのこの取り組みは、政府や公共機関、公共企業が、自らの資産のなかに、商業目的の価値ではなく、むしろ公的な価値を生み出すのに力を貸すという、「デジタル革命の第2段階」の先導役となるだろう、とDykeは説明した。このような取り組みは、あらゆる関係者の関与を必要とし、公共の利益のために公的資金と新しいデジタル技術を組み合わせることになると、同氏は付け加えた。

 「我々は、まさにデジタル革命の第2段階に移行しようとしている。ここでは個人の利益ではなく、公共の利益、有料サービスではなく無料サービス、排他性ではなく社会的一体性こそが高く評価される」(Dyke)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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