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「年間に支払えるセキュリティ対策費用は5千円」:ユーザーのセキュリティ意識調査

2003/08/08 20:01
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 富士総合研究所とイオンビスティーは共同で、家庭におけるインターネットセキュリティに関する意識調査を行った。その結果、インターネットユーザーは個人情報の提供に抵抗を感じていることや、インターネット銀行・電子マネーへの関心が高いこと、また金額を支払ってでもセキュリティ対策を講じたいと考えていることがわかった。この結果から、サービスプロバイダやセキュリティベンダーはインターネットユーザーに対してどのようなサービスを提供していけばよいのか。調査を担当した研究員に聞いた。

個人情報の提供に抵抗を感じるユーザーたち

 インターネット上で会員登録が必要なサイトに欠かせないのが、個人情報の提供だ。だが、個人情報を提供することに抵抗を感じるユーザーは数多い。ユーザーの性別や年齢を問わず、「個人情報を提供するのに抵抗を感じるが、サービスを利用するためには仕方がない」と感じるユーザーより「提供しなければならない個人情報の種類によっては、サービスを利用することをあきらめる」とするユーザーの方が多いことがわかった。

 インターネット上で送信するのに抵抗がある個人情報の種類としては、20代以下の年代を除き、全ての年代において「収入に関する情報」がトップとなり、全体の73.7%が抵抗があると答えている。次いで「電話番号」(65.6%)、「家族、親戚など家庭生活に関する情報」(64.2%)、「住所」(52.9%)となっているが、特に女性は「住所」を送信することにためらいを感じると答えた割合が55.7%と、男性の43.1%より10%以上高くなっている。年代別では、年代が高くなるほど「支持政党、宗教、信条に関する情報」を提供することに抵抗を感じる割合が高いようだ。

 ブロードバンド環境が整うにつれ、インターネットショッピングや有料会員サイトを利用するユーザーは増加しているが、このような有償サービスで利用している決済方法を調べたところ、全体の66.7%はクレジットカード決済の経験があり、次いで多い順に「代金引換払い」(40.4%)、「コンビニエンスストアでの決済」(39.3%)、「現金振込み」(31.3%)、「インターネット銀行の決済サービス」(17.9%)となった。

 一方、今後利用したい決済方法としては、「インターネット銀行の決済サービス」(35.8%)が最も高く、次いで「クレジットカード」(34.4%)、「コンビニエンスストアでの決済」(13.8%)、「代金引換払い」(11.0%)となっている。また、「Edy」や「ちょコム」といったICカード型の電子マネーへの関心も高く、11%が今後利用したい決済方法としてこの方法を選んでいる。

セキュリティ対策ソフトウェアの利用状況は?

 アンケートを実施したユーザー層には、パソコンの管理に慣れていないユーザーも多く含まれていたため、セキュリティ対策ソフトの使用率は半数程度(男性66.9%、女性47.7%)にとどまった(女性では特に、自分のパソコンでセキュリティ対策ソフトを使用しているかどうかわからないと答えたユーザーが21.7%にも上っている)。使用しているソフトとして上位に入ったのは、「トレンドマイクロウイルスバスター」(32.85%)「シマンテックNorton Antivirus」(23.6%)「シマンテックNorton Internet Security」(16.5%)の順。

 このようなセキュリティ対策ソフトを選んだ理由を聞いたところ、28.6%のユーザーが「機能がよかったから」と答えている。同程度の割合で「パソコンにプレインストールされていたので」と答えたユーザーも26.6%いる。男女別で見ると、男性が「機能がよかったから」と答えた割合が36.2%と一番高いのに対し、女性は「プレインストールされていたから」が26.4%と一番高い結果となった。

 インターネットのセキュリティ対策として今後どのような製品やサービスを利用したいかとの問いには、「侵入検知ソフト」(61.6%)「プロバイダのウイルスチェックサービス」(60%)「迷惑メール遮断ソフト」(47.1%)といった回答が高い割合を占めた。

 また、セキュリティ対策や個人情報保護のために負担してもいいと感じる費用を聞いたところ、年間で5000円未満との回答が約半数という結果になった。この中には「0円」「1〜1000円未満」「1000〜3000未満」「3000〜5000未満」が含まれるが、「0円」と答えたのは全体の5%以下となっており、ある程度の金額を支払ってでもセキュリティ対策を講じようとするユーザーの姿が見える。

企業イメージを探る

 セキュリティに配慮していると思われる企業を質問したところ、1位は338票を集めた「楽天」であった。2位は「ヤフー」、3位は同アンケートを実施している「イオン」、4位に「マイクロソフト」、5位と6位にセキュリティベンダーである「シマンテック」と「トレンドマイクロ」が入っている。同じくセキュリティベンダーのマカフィーは37位と、一般ユーザーには認知度が低いようである。上位企業の評価理由としては、SSLを使用していることやセキュリティ対策がしっかりしているとの理由が多かった。

今後の課題を考える

右より、富士総合研究所の佐久間敦氏、イオンビスティーの木村美絵氏、富士総合研究所の中志津馬氏

 今回この調査を担当し、インタビューに答えてくれたのは、富士総合研究所 情報通信グループ 情報セキュリティ評価研究室 主事研究員の佐久間敦氏、同社事業開発部 社会デザインプロジェクト主事研究員の中志津馬氏、そしてイオンビスティーのマーケティンググループWebマーケティングPRマネージャーの木村美絵氏の3名だ。今回の調査を通じて、サービスプロバイダが、またセキュリティベンダーが目指すべき姿はどのようなものなのか、聞いてみた。

 自社でもオンラインショップを運営する木村氏の場合、やはりプライバシーポリシーなどをもっと積極的にユーザーに提示していくことが重要だと感じたという。また、「個人情報というものはお客様のものであって、企業のものではないということを忘れてはならない」と警告する。日々の業務の中で、このような意識が薄れないよう常に気をつけるべきだと同氏はいう。

 中氏は、インターネットがこれまで利便性ばかり追及されてきた時代から、安全性に関心が集まる時代になったという。企業のイメージランキングを見ても、「単に使い勝手のいいサイトを提供している企業が評価されているわけではない。セキュリティに対する姿勢がしっかりしているところが評価されている点は大きな変化だ」と中氏。同時に、セキュリティに対して理解不足のユーザーがいることも事実で、インターネットが一般に普及するに伴い、「業界の枠にとらわれず、快適なインターネット環境を作るための基盤作りが重要だ」という。

 同様に、「ユーザーはまだセキュリティ製品を使うことに対してなじみがない」というのは佐久間氏だ。同氏は、インターネットが完全に安全な場所でない限り、セキュリティ製品を使う必然性をユーザーに理解してもらう努力が必要だとし、「ベンダーのみならず、セキュリティ関係団体や国としても啓蒙活動をする必要があるだろう。その中でセキュリティベンダーは、使いやすいものをお手ごろ価格で提供していくとよい」と語った。

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