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収入減に悩むAOL、頼みの綱はグーグル?

2003/07/25 12:23
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 米Yahooや米MicrosoftのMSN事業がドットコム時代の失敗から抜け出し、スポンサー付き広告で建て直しを進める中、いまだに混迷から抜け出せない企業がある。米America Online(AOL)だ。

 親会社の米AOL Time Warnerは、米国時間7月23日に2003年第2四半期の黒字決算を発表したが、AOL事業の今後の見通しは暗い。AOLのオンライン広告収入は昨年と比べて48%ダウンし、米国の加入者数も前期比84万6000人減の2540万人に落ち込んだ。

 AOLは昨年、それまでAOL検索サイトの有料広告を独占的に手がけていた米Overture Servicesとの契約を解消し、検索サービス大手の米Googleに乗り換えた。

 ウォールストリートのアナリストの中には、「AOLがドットコム時代に数多く結んだ不利な契約が終了すれば、GoogleはAOLのオンライン広告収入に最も大きな役割を果たすようになる」と予測するものもいる。しかし、「OvertureがYahooやMSNを救ったように、GoogleがAOLを救出する」という点については疑問の声も多い。

 AOL Time Warnerが23日に発表した2003年第2四半期の決算報告では、GoogleがAOLの収支にどの程度貢献する見込みかは明らかにされていないものの、激しさを増すウェブ検索市場の競争で成功を収めようとする意気込みが垣間見える。特に期待を寄せているのは、検索キーワードに最高の入札額をつけた広告主のリンクを、検索結果に優先的に表示するサービスだ。

 米Merrill Lynchの財務アナリスト、Jessica Reif Cohenは、「AOLの2003年業績には、Googleによる広告収入で2800万ドルが加わるだろう。2007年には、AOLの広告売上高の33%にあたる7600万ドルがGoogleからもたらされるようになる」と予測する。

 一方、ライバルのYahooは、今月14日、16億3000万ドルでOvertureを買収する計画を発表した。これは今後長きにわたるGoogleとの戦いにそなえ、Yahooが準備を整えていることを意味する。

 オンライン広告は過去3年間に衰退の一途をたどっているが、検索ベースの有料広告は堅調だ。2002年のオンライン広告売上高約60億ドルのうち、15.4%近くを検索ベースの有料広告が占めたという。財務アナリストのSmith Barneyは「検索ベースの有料広告は、2003年に14億ドルを創出する見込み。今後は年平均30〜35%成長し、2008年の売上高は50億ドルに達する」と語っている。

 1998年に設立されたGoogleは、未公開企業のため、AOLにどの程度の経済的恩恵をもたらすかは謎である。しかし同社が提供する有料検索サービスは、ユーザーにとって馴染み深いものだ。GoogleのAdWordsサービスは、広告主が検索キーワードに対して入札を行うシステムになっており、2002年のスタート以来、多くの顧客を獲得している。

 OvertureとGoogleは、提携企業の獲得をめぐって火花を散らしている。Googleは7月23日、天気情報サイトのWeather.comと検索サービスの提供で契約を締結した。またOvertureは同日、以前はGoogleの提携企業であったカナダのポータルサイトSympatico.caと2年間の契約を結び、Googleへの対抗色を強めている。登録広告主の数ではGoogleが10万社と優位だが、Overtureも9万5000社と僅差で追っている。

 ユーザーが広告のリンクをクリックした際に両社が受け取る料金を比べると、Googleがクリック1回につき平均30セント、Overtureは同平均40セントである。業界の観測筋によると、Googleは広告業界における経験が浅いため、広告主が支払う料金も低めに設定しているという。

 AOLは狭帯域インターネットサービスで最大の利用者数を抱えているものの、AOLサイトが会員専用であるため、広告効果は限られたものになる。対するYahooとMSNは、インターネットに接続できるユーザーであれば誰でも利用できるので、より多くの人々が広告を目にする可能性がある。

 市場調査会社の米comScore qSearchによると、今年5月にAOLのウェブ検索サービスを利用した米国のネットユーザーは19%で、1月から横ばいとなっている。MSNの15%を上回ったものの、Yahooの25%やGoogleの32%の後塵を拝している。

 現時点でAOLは、YahooやMSNほど有料広告検索サービスを大きく扱っていない。たとえばYahooはこの1年間に、検索結果が表示される画面の上部や横に掲載するテキスト広告の数を増やすなど、有料広告が自社サイトでより目立つような工夫を凝らしている。一方AOLは、ページのどこにGoogleのテキスト広告を表示するか模索している段階だ。

 業界では、AOLが今後Googleとの結びつきを強めるとの見方が強い。しかし、検索マーケティング会社、米Alchemist Mediaの社長のJessie Stricchiola氏は、「有料広告で成功するのは、Overtureと提携する企業だ。Overtureと手を組めば、他のどの企業と提携するより大金を手にできるだろう」と予測した。

 ある業界関係者は、GoogleとOvertureの違いを、「Googleが重要視するのは検索結果のランキングと成果。一方、Overtureが重要視するのは顧客の満足度」と述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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