米企業がストリーミングメディア全般に関する特許権を認められる

 カリフォルニアをベースにする持株会社のAcacia Research Corporationは16日(米国時間)に、実質的にすべてのストリーミングメディア送信を対象にする幅広い特許に関し、これに認める裁定を勝ち取ったと発表した。

 同社は、5つのアダルト系エンタテインメントサイトに対する仮差し止めの裁定を勝ち取った。これにより、5つのアダルトサイトでは、デジタルビデオやオーディオのオンデマンド配信や、また同類のサービスを提供している他サイトへリンクを張ることもできなくなる。この裁定で、最終的にはオンラインでマルチメディアコンテンツを提供する、ほぼすべてのサイトを巻き込む可能性のある、幅広い範囲を網羅した特許権が、初めて法廷で認められたことになる。

 Acaciaは、インターネット上で使われている最も基本的なマルチメディア技術の1つである、圧縮オーディオやビデオの送信に関する特許を所有している。

 Acaciaがインターネット上でゆっくりとその名を知られるようになったのは、数多くのアダルトコンテンツ会社から特許ライセンス料を徴収しようとした昨年のことだ。Acaciaの主張は当初あまり世間の注目を集めず、ただそれを耳にしたアダルトメディアが慌てただけだったが、のちに同社が最終的には、世界でも有数のインターネットマルチメディア企業や、巨大ケーブルテレビ、そしてフォーチュン500に名を連ねる大企業を標的にしていることが明らかになった。

 Acasiaの言い分は、同社が所有していると主張する一連の特許を基にしており、この特許はオンライン、普通のケーブルテレビ、あるいはその他の手段を通じて提供される、圧縮がかけられたオーディオやビデオのオンデマンド送信を、その種類の違いにかかわりなく対象としているという。

 Acaciaの技術に関して、最初にライセンスを取得した大手企業は、英Virginメディアグループの一部門で、人気の高いネットラジオサイト、Virgin Radioだった。同社では、自社が特許権を所有すると称する謂れのない申し立てを受け取るが、しかしAcaciaの場合はそれと異なり、その主張が正当なものと思えたと説明している。

 Acaciaは、合わせて19のアダルトコンテンツ会社を相手取って特許侵害訴訟を起しており、今回の5社以外でも、ライセンス契約に署名しなければ、さらに訴訟を起すつもりだと、同社のGeneral Councelを務めるRob Bermanは語った。これまでに同社と契約を結んでいるのは合計27社で、Virgin、ホテルの客室エンタテインメントを手がけるLodgeNet、さらにいくつかの小規模な会社が含まれるという。

 Bermanによれば、Acaciaは現在、大手ケーブルテレビ会社やフォーチュン500クラスの何社かとも交渉中だという。これに関し、ケーブルテレビ大手のComcastは、広報担当者を通じて、Acaciaと接触があることは認めたが、その詳細には触れなかった。

 なお、この訴訟はカリフォルニア州の中央地区を管轄する地裁で起こされていた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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