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ソニーがMoblogに見るビジネスの可能性とは?

2003/07/08 19:50
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 7月5日、都内で開かれた「第1回International Moblogging Conference」には、複数の企業がスポンサーとして名を連ねていた。その中の1社にソニーの名前がある。

 ソニーでは現在、コンテンツ&アプリケーション研究所においてMoblogの研究を進めている。同研究所 所長の戸塚卓志氏は、Moblogが今までのメディアと異なる「経験のメディアだ」と語る。自分が出会った感動の瞬間を携帯端末のカメラで切り取り、他の人とその経験を共有できる、新たなコミュニケーションの方法だというのだ。

 Moblogが成功するためには、「いつでも、どこでも、だれでも、どの端末からでも利用できることが必要」と戸塚氏は語る。ソニーはMoblogのどのような点にビジネスの可能性を感じているのか。戸塚氏に話を聞いた。

---Moblogに対して、ソニーはどんな取り組みを行っているのですか。

 ソニーは今までデジタルカメラの「サイバーショット」やPDAの「クリエ」などパーソナルメディアを扱ってきましたが、Moblogはパーソナルメディアの利用方法を大きく変えていく可能性があります。また、人々のコミュニケーションの方法を変える可能性もある。

ソニー コンテンツ&アプリケーション研究所 所長の戸塚卓志氏

 これから大きくなっていきそうなMoblogというサービスに関して、どうやってソニーが新しい、わくわくするようなサービスを提供していけるか。こういった切り口で現在R&Dを行っています。

 それ以外にも、ソニーのオンラインアルバムサービス「ImageStation」では、実際にMoblogサービスの実験が始まっています。携帯電話で撮った写真をそのままオンラインアルバムにアップロードできるサービスです。

---Blogの場合、他のサイトに掲載された記事に対するコメントなどを書くのが一般的で、ジャーナリズムの流れを受けているように感じますが、Moblogは少し違う印象を受けますね。

 BlogとMoblogの最大の違いですね。Blogは家で机に向かって、じっくり考えて書くものです。しかしMoblogというのは、その場で自分が驚いた、面白かったといった感動の瞬間を切り取るものです。自分の経験や感動を人と分かち合えるもので、「人とつながりたい」という気持ちに応えるメディアだと思います。だからこそMoblogは非常にパワフルだと思うのです。今は写真を撮るだけですが、もっといろいろな使い方がこれから生まれてくるでしょう。

---無料の個人コンテンツが増えることで、有料のオンラインコンテンツビジネスの発展が妨げられることはありませんか。

 Moblogは個人が情報を発信するのをさらにやりやすくした、と言えるでしょう。家に帰ってからパソコンに向かって書くとなると、かなりのエネルギーが必要になります。しかしMoblogはその場その場での情報の発信です。

 Moblogはマスを相手にしたコンテンツではないでしょう。自分の1日の出来事、感動したことというのは、自分の周りの人にとってはすごく意味あることだけれども、赤の他人にはそんなに興味のないことだと思います。小泉首相なら話は別でしょうけれども(笑)

 そういう意味で、コミュニケーションとしてのMoblogというのはすごく新しい実験だと思いますね。

---その場でぱっと撮ったものとなると、編集作業はあまり入らないことになりますね。

 編集を否定はしませんが、1日が終わった後に行う作業になります。従来のサイトやBlogでは編集をしないと発信ができなかった。しかしMoblogは編集をしなくても見られるコンテンツになる、というところが大きいと思います。

 個人ではなかなか時間がなくて、デジカメの写真でさえ整理できずにあちこち散在しています。しかしMoblogというものができてくると、写真・動画がきちんと時系列に並んで保存されることになります。

 実はそこにすごい力があると思っています。今までだと、例えばソニーであればメモリースティックに入れたデータをパソコンにコピーして、さらに自宅と会社のパソコンの両方に保存して・・・というように自分で意識的にやらなくてはいけない。しかしWeblogであれば、自動的に時系列に並んでいきます。このように自動的に体系化してくれるというのは非常に強い力があると思いますね。

 画像がきちんと保存されていて、再利用ができて、共有もできる。自分の撮ったメディアの使い道が上がります。ここには大きな潜在的な力があると思いますし、そこから様々なビジネスが生まれると思います。

---再利用できるというのは、デジタル化されているからということですか。

 きちんと整頓されているから、再利用する気になるということです。様々な分類の方法がありますが、時系列が一番簡単だし、人間の意識に近いと思うんです。やはり無意識に使えるカテゴリー分けというのは時間でしょう。

---Moblogの課題は?

 これからどんどんMoblogが普及していくと、やはり一番の課題はストレージになるでしょう。それから、通信コストの問題があると思いますね。

---ソニーのMoblog製品はいつ頃登場するでしょうか。

 どうすればユーザーにとって一番面白いものができるかという問題があります。必ずしも今の形になるとは限りません。現状では、発信するのは携帯電話でも、それを見るのはやはりパソコンベースで、コミュニケーションの方向に向かっていないと感じています。個人のメディアが自動的に整理されているというMoblogの特徴を、どうしたら最大限に生かせるのか。ここを調整しないとコミュニケーションらしくならない、と考えています。

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