PDFの文書がReaderでも加工可能に---アドビ、Acrobat 6.0セミナーにて

永井美智子(CNET Japan編集部)2003年06月17日 21時47分

 アドビ システムズは6月17日、都内でAdobe Acrobat 6.0の新機能を紹介する「Adobe Acrobat 6.0 新製品紹介セミナー」を開催した。会場には500人ほどが集まり、デモコーナーには人垣ができていた。

 Acrobat 6.0は7月4日に日本語版が発売される予定で、PDF生成機能のみのElements、一般ビジネスユーザー向けのStandard、技術者向けのProfessionalがある。なお、以前はAcrobat Readerという名前だったPDF閲覧用のAdobe Readerは現在アドビのウェブサイトからダウンロードが可能だ。

 進行役であるアドビ システムズの薄井真弓氏はまずAcrobat 6.0の利点について説明した。薄井氏が強調したのは「文書を徹底的に再利用できる」という点だ。

 例えばAdobe Reader では、文書や画像を一部だけコピーして別のアプリケーションで利用することが可能になった。文字であればコピー&ペーストが可能。画像の場合は一部をキャプチャーしてコピーできる。Acrobat 6.0ではWordで作ったPDFファイルを再びWord形式に変換したり、表をExcelで開くことができるようになった。これにより、PDFで配布された文書であっても、再び加工して利用することができる。

デモの様子。Office文書は右クリックでPDFへの変換が可能になった

 また、Acrobat 6.0の大きな特徴として、MicrosoftのOfficeとの連携が強化された点が挙げられる。例えばWordやExcel、PowerPointなどの文書は右クリックでPDFに変換できるようになった。さらに複数の異なるアプリケーション文書を同時に選択し、まとめて一つのPDFファイルに変換することもできる。

 他にもヘッダー/フッター機能によってページ番号を付けられたり、PDF内にQuickTimeなどの動画や音声、Flashをに埋め込むことができるなど、大幅に機能が強化されている。

 また、Acrobat 6.0では、文書レビュー機能も強化された。これは1つのPDFファイルを複数の人が校正する際、原本と付加情報を区別して運用できるもの。校正した変更情報だけをFDFというファイル形式にしてEメールで送ることができる。元のPDFファイルを送信する必要がないため、ファイルが軽くて済むという。変更箇所は自動的に元のPDFファイルに統合できるほか、Word 2002を利用していれば、元文書のWordファイルにも自動的に反映させることができるという。

 文書の加工や変更が簡単にできるようになったAcrobat 6.0だが、パスワードの設定によってファイルの閲覧や文書の変更、印刷、他のアプリケーションでの再利用に関する権限をそれぞれ設定する機能を設けた。さらに様々なPKI(電子鍵基盤)と連携した電子署名が可能になるなど、セキュリティ機能も強化されている。

 Adobe Acrobat 6.0 新製品紹介セミナーはひきつづき6月18日、19日も東京で行われるほか、大阪でも7月10日に行われる予定。大阪会場はまだ空席があり、同社のウェブサイトにて申し込みを受け付けている。

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