DVDクラッキングツール「DeCSS」裁判で、検察側が陳述

 カリフォルニア州法務長官のBill Lockyerは米国時間5月29日、同州最高裁判所の公聴会で、DVDの複製防止機能を回避するソフトウェアコードDeCSSを「鍵を壊して押し入り、盗み出すのためのツール」と非難した。

 同最高裁は現在、DeCSSのオンライン公開の合法性を審理している。DVDの不正コピー撲滅を目指すDVD著作権管理協会(DVD CCA)は4年前、コード掲載の中止を求めて、Andrew Bunnerをはじめ数百人を提訴した。サンタクララ郡の予審法廷はコード公開中止の判決を下したが、Bunnerは言論の自由を主張し、上訴。サンノゼの第6地方控訴裁判所がBunnerの訴えを認めて一審判決を翻したため、DVD CCAがカリフォルニア州最高裁に上訴していた。

 連邦裁判所はすでに、DeCSSコードを掲載するウェブ運営者に対し、連邦政府のデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に違反しているとの裁定を下した。しかし、DVD CCAは、Bunnerらを営業秘密に関する州法に基づいて提訴している。

 今回の裁判は、電子フロンティア財団(EEF)、電気学会(IEE)やコンピュータ情報産業協会(CCIA)など、さまざまな言論の自由擁護団体やプログラマたちの注目を集めている。これらの団体は、Bunnerを擁護する意見を主張している。

 Bunnerは公聴会の後、「自分に下される判決はソフトウェア開発、特にオープンソースコミュニティに影響を与える」と記者に語った。ソフトウェア開発者の多くは、あるプログラムの内部構造について学んだり、互換性のある製品を開発するために、DeCSSのような解読プログラムに依拠している。現在は米Epiphanyでプログラマとして勤務するBunnerは、「判決が開発者たちにとって厳しいものになるのなら、本当に使いやすいものを開発することがより困難になるだろう」と述べた。

 最高裁は、今後、数週間〜数カ月以内に判決を下す予定である。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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