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「いまに見ていろ」:iTunesへの反攻を狙うマイクロソフト

2003/05/26 08:19
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 Apple Computerが1曲99セントの新音楽ダウンロードサービスで人気を博する一方で、Microsoftはサブスクリプションベースの音楽サービスをサポートする独自技術を改善し、ひそかに反撃の準備を図っている。

 Microsoftの技術を採用しているPressplayなどのサービスは、Appleが4月28日にiTunes Music Storeを立ち上げて以来ダウンロード数が200万曲を越えたというニュースを受けて、守勢に立っている。しかしMicrosoftは、今年後半にリリース予定の新拡張セキュリティ機能によって音楽レンタルが実現すれば、消費者は購入よりもレンタルのほうに魅力を感じるはずだ、と主張している。

 Microsoftは、携帯音楽プレーヤーへの音楽ダウンロード契約サービスを容易にするソフトウェアを開発中だと述べている。現在、契約ベースの音楽転送サービスでは、月額利用料を払えば何百万曲もの楽曲をパソコンに無限にダウンロードできるが、音楽ファイルをパソコンから移動させることは通常ほとんど許されていない。Microsoftでは、携帯デバイスに楽曲を無制限にダウンロードできる新技術をまもなく提供し、この欠点に対処すると述べている。そうなれば、サービスは劇的に改善される。

 「われわれはすでに、パソコン専用の無制限ダウンロードをサポートしている。次のステップは、家電機器への無制限ダウンロードを可能にすることだ」とMicrosoftのWindows Media部門責任者Jonathan Usherは述べている。

 音楽業界は、MP3ファイルフォーマットおよびKaZaAなどのファイル交換ソフトウェアによる大量の違法無料音楽と戦うべく、ようやく実験を始めたところである。レコード会社や小売店は、1ドル未満のダウンロード料金でシングルを販売したり、月額契約サービスで音楽レンタルするなどのサービスを試行している。

 Microsoftはこういった実験サービスを支える技術開発では中心的存在だ。しかし、同社技術を採用している企業は、Appleの音楽サービスに先に成功を収められてしまった恰好だ。レコード会社が後援しているPressplayなどのサービスは、契約者数を公開していないが、およそ数万程度と推定されており、かなり多くの消費者が関心を示しているとは言い難い状態にある。

 Microsoftは当初、ラスベガスで今年1月に開催されたConsumer Electronics Show(CES)で、新拡張セキュリティ機能を発表する予定だった。しかし期日に間に合わず、Appleが先にiTunes Music Storeを立ち上げるチャンスを許してしまった。

 「先のCESで、レコード会社とともに大々的に発表して始動するはずだったが、延期されてしまった」とDiamond Rio MP3プレーヤーのマーケティング部門副社長Kevin Braniganは言う。「準備が整えば、レコード会社は非常に大規模なプロモーションを行なうだろう」(Branigan)

 開発が遅れたことで、この拡張セキュリティ機能があまり受け入れられなくなった可能性もある。当初この機能は、主に契約サービス向けに設計された、Windows Media Digital Rights Management for Devicesのバージョン9に搭載される予定だった。しかし契約サービスというアイディアは、ほんの1カ月前まで人気があったが、Appleの成功で一気に輝きを失ってしまった。

 Appleの音楽製品は、ユーザーにファイルの永久的所有権を認めており、ほとんどのユーザーがその存在を意識することなく利用できるよう設計されたFairPlayという独自DRMを使って比較的簡素な管理を行なっている。AppleのiTunes Music Storeで楽曲を購入すると、そのファイルは同じプレイリストで10回までCDに書き込めるほか、3台のコンピュータで共有できる。また、AppleのiPod携帯音楽プレーヤーに楽曲ファイルを転送することも可能だ。

契約サービスの負け?

 一方、契約サービスでは通常、厳しい制約があり、パソコンからダウンロードしたファイルを移動するのが困難だ。また、楽曲をCDに書き込んだり、別のデバイスに転送したりするのに別料金を課しているサービスもある。

 先週の時点ですでに、制約の厳しい契約サービスは失敗した、と判断したレコード会社幹部が少なくとも1人いる。「このモデルが音楽業界で重要になってきているとは思えない」とその幹部は言う。

 しかしやはり、Appleの音楽サービスはまだ形成段階にあり、Appleをオンライン音楽市場の勝利者と決定するのは時期尚早だ。音楽業界は、ダウンロード販売サービスと契約サービス両方の要素を合わせたハイブリッドモデルに収束していく可能性がある、と多くのレコード会社代表は考えている。

 別のレコード会社の上級幹部は、契約サービスは「時代に先行している」のだという。彼によると、契約サービスの主なネックは、パソコン以外の携帯音楽プレーヤーなどのデバイスから、音楽への無制限アクセスを許す部分なのだという。「究極的には、利用者は膨大な数に上るだろう。しかしそのためには、サービスがポータビリティを提供する必要がある」と彼は言う。

 「ダウンロード販売は、ほとんど昔ながらの経験といっていい。それに比べて、契約サービスはそれよりもかなり進んでいる……しかし、技術がまだ追いついていないのだ。メーカーが今年、契約サービスの音楽を再生できる携帯プレーヤーを発売するので、われわれは今年こそ契約サービスがブームになると願っている」(同上級幹部)

 Windows Mediaはすでに、Diamond Rioなど約15種の音楽プレーヤー上でセキュアな再生機能をサポートしているが、対象となるのはレンタルではなく購入した楽曲だけだ、とMicrosoftのWindows Media部門責任者Jonathan Usherは話している。Usherによると、同社は現在も、デバイス上で契約サービスをサポートするための機能拡張に取り組んでいると言う。

 Microsoftは携帯音楽プレーヤーなどの家電機器で時計サポートの追加を計画している。時計があれば、パソコン版デジタル著作権管理(DRM)ソフトで利用されているような「時間切れ」機能が実現できる。ユーザーが期日までに月額利用料を支払わなければ、デバイス上のファイルが削除される、といった具合だ。

 メモリや処理能力に十分な余裕のあるパソコンでは、時計や関連DRM機能が扱いやすく、時間切れ機能のサポートは比較的簡単だ。しかし小さなハンドヘルド機器ではCPU資源やバッテリーの寿命が限られており、時計やDRMをサポートするには技術的課題が相当ある。現在Microsoftは家電機器メーカーと共同で、同社のDRMシステムに組み込める時計の搭載に取り組んでいるとUsherは言う。

 「われわれが当初考えていたよりも長い時間がかかっている」とUsherは述べ、Microsoftが元来、セキュリティ機能のアップグレードを今年1月に予定していたことを認めている。

 Usherによると、同社のDRM技術は柔軟で、Appleのような1ドルダウンロードサービスなど、さまざまな音楽スキームで利用可能だという。コピー制限が緩和され、価値がより良く理解されるようになれば、契約サービスの人気は次第に高まるとUsherは確信しているという。

 「われわれはすでに、いくつかのビジネスモデルをサポートしている。無制限ダウンロードというのも、面白いビジネスモデルだろう。AppleのiTunes Music Storeでは無制限ダウンロードなど、サポートも検討もしていない」(Usher)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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