インターネットがイラク戦争に関する情報交換に貢献

 最初のミサイルがイラクに投下され、戦争が始まったのが米国時間3月19日。それ以来、一般の人々がITを利用して、戦争に対する自らの思いを示そうとしている。

 技術の進歩により、人々は戦争関連の出来事や戦争に対する他人の感情を、これまで以上に認識するようになった。なかでも最も速く情報を伝達する媒体がBlogだ。イラクに出陣した兵士の家族などが、不安な思いをBlogで語っている。

 ロチェスター工科大学の情報技術学部で助教授を務めるElizabeth Lawleyは「(Blogでの意見公開が)今回のイラク紛争をより生々しいものにしている」と語る。「ベトナム戦争時代は、世論に対してテレビが大きな影響力を持っていた。今回の戦争では、Blogがその役目を果たしている」(同氏)

 リンク数でBlogの人気度を測定するBlogランキングサイトのTechnoratiによると、戦争に関するBlogはランキングの上位を占めるようになっている。その1つに、バクダッド在住の男性が運営している「Where is Raed?」がある。このBlogでは、イラクにおける日常生活と、戦争の現実が綴られている。銀行が閉鎖されたり、ガソリンの購入に2時間かかるなど、バクダッド市民の現状などを窺い知ることができる。

 また反戦者は、電子メールやウェブサイト、デジタルカメラなどを利用して反戦運動を展開している。電子メールで反戦運動の打ち合わせをしたり、警察官が抗議者を制圧する様子をデジタルカメラで撮影して、記事と共にウェブに掲載している。

 「多くの反戦活動家は、電子メールなどの通信が当局に傍受されることを警戒し、ITの扱いに慎重になっている。しかし今回の戦争では、インターネットのおかげで、まれにみる速さで反戦活動が拡大した。インターネットは意見を交換する場として、非常に大きな影響力がある」(反戦活動家のHelen Vozenilek)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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