Tucker氏は、学生やベンチャー企業などに向けて新サービスを提供することで、「Sun Cloudを使って次のFacebookやYouTubeとなり得るような新しいイノベーションが生まれることを期待したい」としている。
クラウドサービスと言えばAmazon.comが先行しているが、Amazonの提供するサービスとSunのサービスとの違いについてTucker氏は、「Amazonはサーバをクラウドで提供しているが、Sunではデータセンターそのものをクラウドで提供できる。それが大きな違いだ」と説明する。「Amazonには知り合いが多くいるが、彼らにSunが同様のサービスを開始すると伝えたところ、この動きを歓迎してくれた。Sunがこの分野に真剣に取り組むことは、Amazonの方向性が間違っていない証しでもあるためだ。また、AmazonもSunも、今後クラウドがより普及すると考えており、業界全体でこのサービスが盛り上がればいいと考えている点は同じだ」(Tucker氏)
一方、IBMも2008年10月にクラウドサービスを推進すると発表しているが、Douglas氏は「IBMはアーキテクチャやAPIを公開しておらず、開発者にリーチできていない」と指摘する。Sunの新サービスはオープンソーステクノロジーを駆使したもので、開発者がSunのクラウドサービスをベースとした新サービスを展開しやすいようになっている。Sun CloudのAPIは、現在Project Kenaiにて公開中だ。
なお、同サービスが発表された18日は、IBMがSunの買収交渉に入ったとWall Street Journalが報じたばかり。基調講演後のプレス向け質疑応答セッションにて、事前に司会者がこの件についての質問は受け付けないとしていたにもかかわらず、やはり「もしIBMと一緒になると推測した場合、両社のクラウドサービスはどう統合されるのか」といった質問が出た。Douglas氏は、「推測に基づく質問に対しては、私も推測で答えるしかないのだが、今日は推測に基づいた発言はしないでおこう」と述べるにとどまった。
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