最終更新時刻:2009年7月10日(金) 14時33分

ものづくり力で国内IT勢反撃

FujiSankei Business i.

2008/01/22 10:40  

 ■NEC 無線設備 短納期・低価格前面に世界一

 通信機器やサーバーなど企業向けコンピューターを生産・販売するIT(情報技術)機器メーカー大手が、世界市場での競争力回復に向けて、“ものづくり力”の強化に相次いで乗り出している。NECは福島市の通信機器工場で生産革新を展開。携帯電話の基地局間を結ぶ無線通信設備「パソリンク」の低価格化を実現し、世界シェア首位の獲得に成功した。富士通はサーバー開発に、商品企画から開発まで1人の主査が一貫して担当する制度を導入。海外市場のニーズに即応した製品開発を徹底する。

 NECの通信機器工場であるNECワイヤレスネットワークス(福島市)では、2001年から生産革新に着手。これまでにパソリンクの生産ラインを従来の25メートルから8メートルへと3分の1に短縮したほか、トヨタ生産方式を用いて部品在庫を1日分だけにするなど徹底した効率化を実現した。

 また、生産ラインに従事する作業員が工程の改善策を自ら提案し、開発部門や生産技術部門と共同で、毎日改善する制度を採用。「1カ月でラインが大幅に変わる」(遠藤信博NEC執行役員)ほどに効果が大きく、こうした取り組みの継続により、「運用コストを含めると海外メーカーの数分の1、納期では半分となる2週間を実現した」(同)という。

 短納期、低価格を武器に、携帯電話市場が急速に伸長している新興国での販売拡大に成功。NECのシェアは昨年第3四半期に31・2%(2006年は20・3%)に伸び、それまで首位だった通信機器の世界最大手、スウェーデン・エリクソン(昨年第3四半期に30%)を抜いた。08年も前年比10%程度の伸びを見込んでいる。

 ■富士通 サーバー 主査制度導入しニーズ即応

 富士通は、昨年8月からサーバーの開発に、日本の自動車業界では一般的な主査制度を導入。プロジェクト単位で開発、営業、サービス各部門から人員を集め、主査がすべてを統括する。海外各地のニーズも把握して即応する体勢で、08年度にも新制度で開発した製品を市場に投入する予定だ。

 日立製作所も情報・通信分野の機器製造に要する時間を、今年度中に05年度比で30%削減するなど生産改革に取り組んでいる。

 日本のIT機器メーカーは、かつて固定電話の交換機で世界市場をリード。しかし、携帯電話事業ではエリクソンやフィンランドのノキアなど海外大手に先行された。サーバーなどのコンピューターも米国勢が圧倒的な優位に立っている。

 NECは、パソリンクの成功を足がかりに、第3世代携帯電話や次世代高速無線通信「ワイマックス」などの需要が今後急速に増すことが予想される新興国を中心に、海外市場で巻き返しを目指す方針。富士通もハード面で競争力を高めて、主力の企業向けシステム構築サービスの海外進出を後押しする考えだ。

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