Earl氏によると、Sunlight Directの技術は、元々エネルギー効率を高める目的で考案されたという。同技術の研究は10年前に、テネシー州オークリッジにあるOak Ridge National Laboratoryで始まった。
自然光が人々にもたらす目に見えない利点も、同社の最初の顧客が同システムを試す動機付けになっていることが次第に分かってきた。
Earl氏は、「当初の構想や価値の提案は純粋にエネルギーに関するものだった」とした上で、「われわれは同システムを開発する中で、エネルギーにも大変有効な価値があるが、その他にも自然光がもたらすさまざまな二次的利点があることに気付いた」と語った。
例えば、テキサス州にあるWal-mart Storesの店舗や、ニューヨーク州とフロリダ州にあるStaplesの店舗は、Sunlight Directの照明システムを導入することにより売り上げが増加するか否かを評価している。同様に、複数のオフィスビルが同システムを使用し、生産性の向上や欠勤率の低下といった従業員への潜在的なプラス効果を測っている。
環境にやさしい建物の提唱者らは、(環境に配慮した建物を建設するには)設計費や材料費が高くつくが、人々の生産性が向上するなら、建設コストがどんなに高くても正当化されると主張する。
建築設計会社のHeschong Mahone Group(HMG)は2003年の調査で、自然光が小売店やオフィスビルに莫大な金銭的利益をもたらすことを発見した。
小売店の調査では、光が拡散する天窓から採光している店舗と売り上げ増との間に強い関連性があることが分かった。HMGは、最適化された太陽光照明システムを小売店に導入すれば、エネルギーコストを1平方フィート(約30平方センチメートル)当たり年間24セント削減でき、さらに売り上げは1平方フィート当たり年間66セント増加すると結論づけている。
カリフォルニア州エネルギー委員会(California Energy Commission)から委託されたオフィスビルや学校での調査でも同様の傾向が見られた。
HMGは報告書の中で「学校とオフィスでそれぞれ調査を行ったが、どちらの調査でも窓から見える景色と成績や業績との間に明確かつ一貫した相関関係が見られた。この調査結果は、人間が継続的に行動する上で窓から見える景色が重要であることを明確に示している」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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