最終更新時刻:2008年10月10日(金) 23時50分

米控訴裁、MSへのSunのJava搭載義務付けの仮処分を退ける

2003/06/27 14:18  

 米控訴裁判所は26日(米国時間)、米連邦地裁が米Microsoftに対して、米Sun MicrosystemsのJavaインタプリター搭載を求めた仮処分命令の大部分を退け、Sunに打撃を与えた。

 ただし、バージニア州リッチモンドで開かれた第4巡回控訴裁判所は、Microsoftが独自のJavaバーチャルマシン(JVM)を搭載した製品を出荷することについて、2001年1月に同社がSunと締結した合意の域を超えるものとして、その出荷停止命令を支持した。控訴裁判所の3人の判事団は、2001年の合意はMicrosoftが独自のJVMをWindowsに搭載する権利のみを認めるもので、コンピュータメーカーやWindows Updateなどを通じて単独でJVMを提供することを認めるものではないと述べた。なお、Microsoftでは自社版JVMの搭載を今年2月から停止している。

 判事団は28ページという大部の意見書の中で、連邦地裁が今年始めにMicrosoftに下した処分のほかの部分について激しく非難している。連邦地裁判事Judge J. Frederick Motzは、仮処分の必要性についての説明として、市場がJavaプラットフォームからMicrosoftのNetプラットフォームへと大きく傾く「深刻なリスク」があると結論づけていた。

 しかし控訴裁の判事団は26日、「仮処分を実行しないと、即時に取り返しの付かない被害が生じるという結論に至るには、連邦裁の事実認定は不十分であることから、この仮処分命令は撤回されるべきであるという結論に達した」と述べた。

 この決断について、Microsoft、Sunの両社はともに「満足」していると言う。

 Microsoftが、同社のJava VMを独立した製品として配布することを止めさせるというSunの第1の要求は達成されたが、Microsoft製品にSunのJavaソフトウェアを強制的に搭載させるという第2の要求は退けられた。

 Sunの法務担当バイスプレジデントLee Patchは声明の中で、「我々は、著作権侵害行為の差し止めを認めた控訴審の今日の判決に大変満足している」と述べ、さらに「この判決により、Microsoftが先の我々との和解合意に違反したこと、およびその違反がPC上のJavaプラットフォームを寸断し続ける方法で行われたことが改めて確認された」と語った。

 MicrosoftはSunとの和解に基づき、Windows 2000に組みこまれた同社のオリジナル版Javaの配布が認められた。このJavaは、SunのJava Developer Kit(JDK)1.1.4のソースコードを基に、Microsoftが独自に開発したものだ。Sunの主張によると、両社で和解したライセンス合意条件には、著作権で保護されたSun製ソフトの使用も含まれているが、 Microsoftはあくまでオペレーティングシステムに組み込む形でのみJavaの配布が可能であり、ウェブ上でダウンロードされるアップデートとしての配布は認められていないという。Motzと控訴裁判所は共に、このSunの立場を支持した。

 1997年に開発されたJava1.1.4は、2001年にはすでに時代遅れだったが、Sunは和解した当時、Microsoftにとっては何も出荷しないよりは旧バージョンでも出荷した方がいいと考えていた。

 Sunは和解条件に基づき、Microsoftに2008年1月2日までJava搭載の既存製品を出荷する権利、および2004年1月2日まで重大なバグまたはセキュリティホールを修正するために、Microsoft製Javaソフトを修正する権利を与えた。

 しかしSunは、昨年起した訴訟で、Microsoftが時代遅れの製品を出荷し、重要な最新のJava技術をユーザーが使用できないようにしていると主張。裁判所に対して、Sun製の互換性を備えた、現在のJava製品の出荷をMicrosoftに命じるよう求めた。

 Patchは、Sunが出した"搭載義務付け"を求める第2の要求が控訴裁判所に却下されたことに失望の念を表明した。

 法律の専門家たちは、Sunが差し止め命令の一部として求めた「搭載義務付け」要求を、第4巡回控訴裁判所が支持する可能性は低いと考えていた。26日には、3人の裁判官で構成される判事団が、そのような差し止め命令を出すことは、裁判所にソフトウェア業界の将来の方向性を推測することを求めるものだと述べた。また判事たちは、Sun側の専門家の証人でさえも、市場がJavaから.Netに傾くかどうかの確信は持てないと述べ、さらにMicrosoftがシャーマン反トラスト法に違反して、新たに登場つつあるミドルウェア市場の独占を試みたとするSunの主張は、説得力に欠けると述べた。

 「新たに登場しつつあるミドルウェア市場に歪みが生じることを防止することを狙った強制的な事前差し止め命令は、MicrosoftがIntelプロセッサに対応したPC用OSの世界的ライセンシングによって、違法に市場の独占状態を維持してきたとの主張において、Sunが求めている最終的な救済措置とは、事実上あるいは確立されたあらゆる法理論からみても、結びつかない」と述べ、「それゆえ、強制的事前差し止め命令は取り消されなければならない」と結論付けた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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