「大型サーバはつまらない」--デル、クラスタの優位性を強調

Stephen Shankland (CNET News.com)2004年12月08日 20時09分

 サンフランシスコ発--デルの上級幹部らは米国時間7日、大規模で強力なサーバを構築する「箱モノ」アプローチを非難し、IBMやSun Microsystems、Hewlett-Packard(HP)のやり方を皮肉った。

 互いに競合するこれらの企業は、何十基ものプロセッサを搭載した高価な大型のサーバを、企業におけるハイエンドのコンピュータ業務に取り組むための優れた方法だと見なしている。それに対し、Dellではローエンドのシステム同士を高速なネットワークでつないだクラスタを推している。

 DellのJeff Clarke(製品担当シニアバイスプレジデント)は、標準的なプロセッサやネットワーク/ストレージ技術が着実に性能向上しているなかで、「大型サーバはますますつまらないものになっている、というのがわれわれの考えだ」と語った。「われわれは、将来データセンターや企業を再構築するやり方を作り直していくつもりだ」(Clarke)

 サーバクラスタを有用なものとする上で欠かせないコンポーネントは、Oracle 10gのようなサーバをまたいでの処理が可能なデータベースだ。Dell会長のMichael Dellは、同カンファレンスの基調講演でこの製品を大きく採り上げた。

 DellによるOracleとの提携は、SunのUnixサーバを使う顧客の誘い込みを狙ったもの。Dellは講演のなかで、昨年OracleがインストールされたDellサーバの導入事例の30%が、Unixベースの独自マシンからの移行だったと述べている。

 HPとIBMの幹部らは5月に、今後クラスタの導入が進むものの、高性能な大型サーバには性能の点でかなわないとの見通しを発表した。これに関して、DellのJudy Chavis(エンタープライズ製品グループ、ビジネス開発ディレクター)は、この意見をきっぱりと否定した。

 「メインフレームにしろUnixにしろ、今日Intelチップ搭載サーバ上で置き換えられるものは何もない」と、Chavisは7日に行われたインタビューのなかで答えている。同氏によると、移行に関する最大の障害、大規あ模システムに慣れ親しんだユーザーに、クラスタシステムが十分使いものになることを納得してもらうことだという。

 小型サーバで構成するクラスタにはメリットもあるが、ただしすべてのデータベース業務に向いているわけではないと、IlluminataのアナリストGordon Haffは述べている。

「巨大なデータベースや巨大なエンタープライズアプリケーションを除けば、クラスタシステムは今日ほとんどの業務処理を実行できるだろう。一方で、仕組みが複雑で管理が難しいという問題もある。大規模サーバを1つ管理するほうが、たくさんの小型サーバよりも容易に管理できる」(Haff)

 SunやIBM、HPの各社は大規模なマルチプロセッサシステムを販売しているが、同時にクラスタシステムも扱っている。またIBMには、Oracleと競合するDB2のクラスタ版もある。

 クラスタ技術をもっと使いやすくしようと、DellはOracle、Intel、EMCと共同で、MegaGridというプロジェクトに取り組んでいる。7日に発表されたこの取り組みでは、128台のデル製デュアルプロセッササーバで構成するクラスタ上でOracle 10gや他のアプリケーションを走らせることに焦点をあてている。

 MegaGridは製品と言うよりもむしろある種のプロジェクトで、技術開発と顧客のベストプラクティスの整理を目的としたものだとClarkeは説明。このプロジェクトは各社がクラスタを構築する際のテンプレートの役目を果たす。Dellによれば、Overstock.comというオンラインの小売業者が現在MegaGridのアーキテクチャを利用中だという。

 Dell広報担当のWendy Gieverは、この技術が成熟した段階でDellがそれをバンドルのなかに含むこともあり得ると述べた。

 現時点で、MegaGridプロジェクトではRed Hat Linuxが採用されている。ただし、DellはNovellのSuSE LinuxやMicrosoft Windowsを使った新たなシステムも開発中だと、Chavisは語った。さらに、同社はこのシステムにより高度なOracleのソフトウェアを追加しようと取り組んでいるところだ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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