ソフトウェア支出の伸びは期待薄--ガートナー調査

Martin LaMonica (CNET News.com)2004年03月26日 19時21分

 Gartner Dataquestが米国時間25日に発表した調査レポートによれば、ユーロに比べ米ドルが弱かったことで、昨年報告された米国のソフトウェアベンダーの業績は実際より誇張されたものになっており、今後のソフトウェア支出の見通しは依然として控え目なものだという。

 Gartnerは同日、昨年の全体的なソフトウェア販売実績を修正し、新しい成長予想を発表した。通貨の変動、特にユーロに対してドルが下がったことは、ソフトウェア業界の実績を歪めてしまい、実際よりもよく見えるようにしたと、同社アナリストのJoanne Correiaはコメントした。

 昨年末、トップ25社のソフトウェアベンダーは、8%の売上の伸びを報告した。しかし、通貨の騰落を考慮すると、ベンダー各社の売上の伸びは、3〜4%というより控えめなものになると、同氏は述べている。

 支出の抑制は来年も続きそうで、特に新規ライセンスに関してはその傾向が強い。また全体として見ると、ソフトウェア業界が過去のような、二桁成長を記録することは難しい。

 「企業の見通しはとても慎重なものだ。景気は底を打ったが、今後数年にわたり15%パーセントにも達するような成長は見られないだろう」(Correia)

 Gartner Dataquestによれば、昨年のソフトウェア販売の年間成長率は4.4%だったという。同社は、今年の伸びを7.4%と予想しているが、その大半はWindowsデスクトップとMicrosoft Officeのアップグレードが占めることになると、Correiaは述べた。

 法人顧客を対象とした調査は、支出の伸びが2〜5%の控えめな範囲で推移することを示唆している。企業の投資を牽引しているのは、業界の規制条件を満し、自社のITインフラを強化しなければならないという要件だ。

 Gartner Dataquestは、企業の支出が2005年あたりに回復してくると予想しているが、これは部分的には繰延需要や、業界標準への移行によって促進されると思われる。企業がいったん業界標準を採用するとシステムの効率が高まるため、いっそう積極的にソフトウェアに投資するようになる。

 「大手のソフトウェアベンダーは、従来のプロプライエタリシステムから標準ベースのシステムへ移行しようとしている...今はまさにその真っ只中だ。標準化されたシステムが主流になった際には、市場は間違いなく成長する」と、Correiaは述べた。

 Gartnerでは、2005年のソフトウェア売上の伸び率が8.5%、また2006年には7.5%になると推定している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]