実は、このマイクロソフトのBIを支えたシステムを製品化したものこそ、12月1日から販売開始となった統合パフォーマンスマネジメントアプリケーション「Microsoft Office PerformancePoint Server 2007」にほかならない。サーバ側とクライアント側に分かれ、オープン価格に設定されているが、実売でサーバ側は約260万円、クライアント側は約2万4000円程度になるという。この価格は、BIアプリケーションとしては異例の低価格だが、これはクライアントを全社員に導入してもらいたいがための価格設定だという。バックエンドにはSQL Serverを利用する。
主たる機能は3つで、プランニング機能、モニタリング機能、分析・レポーティング機能である。プランニングはワークフロー制御、フォームやロジックの集中管理、データのサーバ格納と自動集計などを含む。モニタリングはKPI測定のためのダッシュボードやバランススコアカードなどを可視化するものだ。また分析・レポーティングはウェブベースでオンライン分析を行うことができ、またExcelベースの業務レポートを作成することが可能だ。
同社インフォメーションワーカービジネス本部エグゼクティブプロダクトマネージャの米野宏明氏によれば、この製品の第一の特徴はほとんど「プログラミングレス」であることだという。データ編集はサーバからマクロや関数の埋め込まれたExcelベースの入出力フォームをダウンロードして使う。スコアカードやダッシュボードは「Dashboard Designer」と呼ばれるブラウザベースのアプリケーションで、部門や社員レベルに合わせて設計することが可能だ。これもプログラミングの知識は一切必要ないという。
野村證券、ニコン、三越、福井県済生会病院など、すでに評価を始めた顧客、あるいは評価を終えて本格稼動に移行しようという顧客も出てきている。社員の力を経営の力に。現場従業員にこそBIが必要だとするコンセプトを柱に、世界で最も普及していると言っていいビジネスフロントエンドである「Excel」のバリューを存分に利用して展開される、今後のマイクロソフトのBI戦略からは目が離せない。
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