究極的には、仮想化によって、動的な調整機能と自己管理機能を備えたデータセンターという、サーバ製造業者が何年も前に描いた構想が実現するようになるとRosenblum氏は言う。
「われわれが取り組んでいる内容とは、結局、これまで静的に割り当てられていたものをソフトウェアに引き渡し、スケジュールを管理させることだ。そして、自らハードウェアを管理するデータセンターという構想に向かって進んでいる」(Rosenblum氏)
現在でもこのような移動作業は可能だが、データストアを移動するときに仮想マシンをシャットダウンしなければならない。
聴衆の中にStorage VMotionに強い関心を抱いた人物がいた。Johnson Controlsの上級システムエンジニアのKyle Meyer氏である。Johnson Controlsでは、合計2300台のサーバのうち350〜400台のサーバでVMwareによる仮想マシンが動作している。しかし現在、同社の「EMC Clariion」ストレージシステムのリース期間の満了が迫っており、新しいストレージシステムに切り替えるためにサーバをシャットダウンしなければならない。このような作業は、業務の中断をなるべく少なくするために土曜日の午前3時にスケジュールするのが一般的である。
「業務を中断しなくて済むというのが最大の利点だ」とMeyer氏は言う。現在、「当社ではClariionをリースしているが、別の会社に切り替える場合はシャットダウンしなければならない」
Storage VMotionを使用する場合はいくつか困難な問題もあるとRosenblum氏は公演後のインタビューで語った。1つは、デモで使用した小型のシステムと高速ネットワークでさえもデータストアの移動には時間がかかることだ。もう1つは、データベースがすでにフル稼働している場合、別のストレージシステムに移動するためのネットワーク容量の余裕がない場合がある点だ。
作業負荷が限界に達している場合は、(データストアを)複製するために何をしても、ある程度のデータの劣化は避けられないだろう」とRosenblum氏は指摘する。
3番目のデモでは、仮想マシンのダウンロードを高速化する方法が実演された。VMwareの想定では、コンピュータのユーザーはウェブ閲覧のセキュリティ確保といった特定の業務のために事前にビルド済みの仮想マシンを使うのが一般的になるだろうということだが、仮想マシンのサイズによりに、そのような「仮想アプライアンス」を取得するのは実際的ではない。
デモでは、VMwareのインスタントオン技術が最も重要な仮想アプライアンスのデータを最初に取得し、続きのデータストリームを取得している間に仮想起動プロセスを開始できるようにする。410Mバイトの仮想アプライアンス--ウェブ閲覧用にカスタマイズした「Ubuntu Linux」--が起動して使用できる状態になるまでに約2分かかった。
「われわれはこの手法を、多くの問題を解消するソフトウェアを製品化するための、きわめて優れた方法だと考えている」と、Rosenblum氏はアプライアンスの手法についてこのように語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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