オムロン、大理石や紙もスイッチにできる次世代タッチセンサー

 オムロンは7月18日、人が近づいたことを検知してスイッチを切り替える 「静電容量式タッチセンサ」ICと開発ツールを7月30日に発売すると発表した。 軽くボタンに触れることでオン・オフ操作ができ、スイッチのフロントパネル に大理石や和紙といった幅広い素材を利用できる。今回は、従来より多くのス イッチを制御できる8ch/16ch用を発売する。価格は個別見積もり。

 指などが触れた際に起こる、わずかな電流の変化を検知してスイッチを切り 替えるしくみ。平面でも立体でも自由な部分をスイッチにできるうえ、スイッ チ部分に大理石、革、木、和紙など非伝導性の素材を自由に選択できるのが特 徴。既に、日立アプライアンスのIHクッキングヒーター「HT-B10TWFS」が採用 を予定している。

 これまでの「静電容量式タッチセンサ」を使ったスイッチは、湿度や温度な どの変化で誤作動が生じやすいため設計が難しく、開発に時間やコストがかさ んでいた。新製品では、環境の変化に応じて感度を調整する「自動補正機能」 を搭載するなどでこうした課題を解決した。

 製品は専用ICと開発ツールで構成。ICは、タッチに反応する感度の調節が可 能で、IC機能のカスタマイズなども行う。開発ツールは、専用ソフトや簡易検 証用評価ボード、通信ケーブルなどをセットにしたもの。ソフトを導入したパ ソコンと評価ボードを接続して、電極やパネルの厚さなどを調節、シミュレー ションしながらセンサーの設定を行う。

 タッチセンサーは、触れるだけでスイッチが入るため、スイッチの状態や操 作時の感触ではオン・オフがわかりにくい。そこで、「パチパチ」と切り替え る普通のスイッチの操作感を音や光を発して再現することで、タッチセンサー の使いやすさを高める研究も、立命館大学と進めている。そのほか、タッチセ ンサーと音声ガイダンスを組み合わせて駅の券売機に導入し、「数字ボタンで す」などボタンの名称を1つひとつ読み上げる機能など、視覚障害者でも健常 者でも同じように使いやすいユニバーサルデザインへの応用も検討している。

 オムロン エレクトロニクスコンポーネンツビジネスカンパニー スイッチ事 業部操作スイッチ商品部の田部能浩タッチセンサ事業企画主事は、「(同セン サーを導入することで)先進的なデザインが可能」とタッチセンサーの魅力を 語った。

 同社は05年10月に4ch/8ch対応のタッチセンサーを初めて発売。システムキ ッチンやDJプレーヤー、携帯電話、液晶テレビ、玩具ロボットなどのメーカー が採用してきた。07年度で同センサーのシリーズ全体で3億円の売り上げを見 込んでいる。

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