携帯電話でプロジェクタ--鍵となるのは緑色レーザー - (page 2)

文:Erica Ogg(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年05月28日 09時52分

LEDの次

 Brennesholtz氏によると、そこが、Corningと、緑色レーザーのもう1社の主要ベンダーNovaluxが目指す所だという。同氏は「手頃な価格のレーザーを製造するにあたって物理的に重大な障害はない。サプライチェーンを用意し、顧客を確保し、予測を立てて、クリスタルを生産するだけだ」と語っている。

 価格は徐々に下がるだろうが、緑色レーザーには別の課題が待ち受けている。携帯電話に内蔵するには、プロジェクタのバッテリ消費量を極力抑える必要がある。携帯電話はコミュニケーションを目的としていて、映画鑑賞などの二次的用途が要因となってバッテリが1時間で切れてしまっては消費者にとってもメーカーにとっても機能を追加する意味がない。

 ただ、今のところは選択肢がもう1つある。フィンランドのUpstream Engineeringなど、他社はプロジェクタの代替光源としてLED(発光ダイオード)を採用している。しかし、LEDベースのプロジェクタは明度が落ちる傾向にあり、光源としての効率も良くない。LEDが魅力なのはその消費電力の低さだが、レーザーもこれに追いつきつつある。Texas Instruments(TI)では、モバイルプロジェクタの試作機に自社独自のデジタルライトプロセッシング(DLP)技術を採用しており、2007年のConsumer Electronics Show(CES)にもこれを展示している。

 携帯電話メーカー各社では、プロジェクション機能に割く消費電力をわずか1Wに抑えたい考えだが、Brennesholtz氏によると、現在最も小型のレーザープロジェクタでも大体は2〜3Wの電力を消費するという。同氏は、プロジェクタへの「採用をわれわれが考える前に彼らが効率を改善する必要がある」と語っている。

 CorningとNovaluxの両社は、数年がかりで緑色レーザーの製造プロセス改善を進めてきた。フルカラーの映像を作り出すためには、赤、緑、青の3色が必要だ。赤色レーザーは20年も前からCDの読み取り用に使われており、青色レーザーも新しいながら、多数のメーカーが「Blu-ray Disc」などの高品位DVD技術を採用した次世代DVDプレーヤー用にレーザーを供給している。

 一方、緑色レーザーは製造が難しく、わずか数時間で機能しなくなるなど不安定で、発光を維持するのも難しい。その解決策としては、まず赤などの異なる色の半導体レーザーを用意し、周波数を調整してそれを緑に変える方法がある。

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