IntelおよびAMDが公表したリストによると、マルチコアプロセッサを最初から念頭に置いて開発されたゲームは25タイトルほどしかない。その一例として、THQが2月にリリースした「Supreme Commander」がある。
THQの広報担当、Ben Collier氏は「当社は開発当初から、マルチコアを念頭に置いた設計を選択する必要があると感じている」と語った。
しかし、残念ながら、ことは常にそれほど単純だとは限らない。非常に大規模なPC用ゲームは、数年間にわたるプロジェクトだ。多くの企業は、これまで広く受け入れられてきたプログラムの改変に二の足を踏んでいる。しかも、そのような企業は、1種類のゲームだけを制作している場合もあるが、複数のゲームを動かすゲームエンジンを制作しているケースもある。
そんな中、RapidMindという企業が、「RapidMind Development Platform」というツールを発表し、これを使えばマルチコア対応に要するプログラミング時間を短縮できるとうたっている。同社の最高経営責任者(CEO)であるRay DePaul氏は「当社の製品は、従来の逐次プログラミングの手法を変えなくとも、データの並列処理を可能にするソフトウェア開発プラットフォームだ」と説明している。
DePaul氏によると、従来、RapidMind Development Platformが使われるプログラムは、IBMのマルチコアプロセッサ「Cell」向けのものが多かったが、現在IntelやAMDのマルチコア型x86プロセッサに対応したツールも制作中だという。同プラットフォームは、開発者がAPIを利用してアプリケーションを作成すれば、複数へのコアへの作業の割り振りをプラットフォーム側が考えてくれるという仕組みだ。
また、PeakStreamという会社も、開発者のマルチコア環境移行を支援する同様の製品をそろえている。
しかしながら、Intelでは、こうしたツールを用いるよりも、ゲーム開発者がマルチコア環境に適応するほうが望ましいと考えている。まもなくすべてのPCが最低でもデュアルコアプロセッサを搭載するようになる見通しで、デスクトップ向けクアッドコア(4コア)プロセッサも、Intelがすでに販売を開始しており、AMDも年内に発売の予定だからだ。
ソニーの「PLAYSTATION 3(PS3)」やMicrosoftの「Xbox 360」もマルチコアプロセッサを採用しており、PC向けゲーム同様、家庭用ゲーム機向けのタイトルもマルチコア化に向かっていると、IntelのStude氏は指摘する。
「複数スレッドを扱うプログラミング作業には、以前ほどの労力はかからなくなっている」とStude氏は語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」