また、より難解なハイブリッドアプローチの方が、リアルタイム機能とLinuxのソフトウェアのメリットを組み合わせられる、と考える企業がある。FSMLabs(本社:ニューメキシコ州ソコロ)という小規模企業では、「RTLinux」と呼ばれる製品を販売している。これは、リアルタイムタスク用の独自OS「RTCore」と、ユーザーインターフェースなどのソフトウェアを実行するLinuxを組み合わせている。
リアルタイムOSは組み込みコンピューティング市場を構成する多種多様な要素の1つである。同市場には、レジや携帯電話から、自動車のテレマティックスや風力タービン発電所まで、あらゆるものが含まれる。
組み込みOSとして、Linuxの人気はますます高まっている。Wind River、Concurrent、そしてLynuxWorksはどこも、競合する自社製品がありながらLinuxを採用している。
SLERTは、「SUSE Linux Enterprise」製品ファミリーの一員となる。同ファミリーのサーバ版とデスクトップ版は7月に既に投入済みだ。同社は、積極的なLinux戦略が財務成績全体を改善し、Linuxベンダー最大手のRed Hatに対する競争力も高めてくれることを大きく期待している。
SLERTは共同プロジェクトとなっている。知名度が高く営業部隊も大きいNovellが、SLERTのマーケティングを担当することになると、Steinman氏は語っている。一方、Concurrentは組み込みOSに関する経験が豊富で、Linuxでのリアルタイムサポート実現に向けた拡張部分の開発を支援した。Steinman氏によると、売り上げは両社で分配するという。
小型機に搭載されているリアルタイムOSもあるが、SLERTはマルチプロセッササーバなどの大型機用に設計されている。Ingresデータベースが動作する同種のシステムで2880万トランザクションの処理をテストしたところ、SLERTは2700万分の1秒から1100万分の1秒までの時間内に応答したと、Novellは語っている。
NovellのリアルタイムLinux開発を指揮するMoiz Kohari氏は、今はなきMission Critical Linuxの創業者である。同社には実力のある社員が何人も在籍しており、Red Hatの最高技術責任者(CTO)Brian Stevens氏もCTOを務めていた。
しかし、同製品はNovellのほかのLinuxと同じような形では購入できない。Steinman氏は、「設定時はNovellにコンサルティングを依頼する必要があり。Novellがインストールとチューニングを実施する。店頭で入手してすぐに使用開始できるたぐいのものではない」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス