サン、新ローエンドサーバに現行チップ「UltraSPARC IIIi」を搭載へ

文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2006年08月31日 19時03分

 Sun MicrosystemsがUltraSPARCベースのローエンド向けサーバをアップグレードする準備を進めている。だが同社は、予定していた新しい高速チップではなく、2003年に発表されたチップファミリーを新システムに搭載することを明らかにした。

 新型の「UltraSPARC IIIi+」プロセッサ(開発コード名:「Serrano」)は、今後発表予定の3基のサーバ「Sun Fire V215」「V245」「V445」に搭載される予定だった。これは、現行の「UltraSPARC IIIi」を搭載した「V210」「V240」「V440」からの大きな変更点として主な特色となる予定だった。だが、新システムには、現行サーバと同様、2003年に発表されたUltraSPARC IIIi「Jalapeno」プロセッサが搭載されることになった。

 Sunのフィールド開発マネージャーNick Suh氏は米国時間8月30日、Sunが主催するオンラインの質疑応答フォーラムにおいて、「Sun Fire V215、V245、V445システムはUltraSPARC IIIiプロセッサを搭載して出荷する」と述べた。

 IIIi+プロセッサの登場は、当初の予定から1年半以上も遅れ、2007年半ばになる可能性がある。Suh氏のコメントは、「spp」と名乗る人物の発言への回答であり、このsppという人物は同フォーラムで「V215やV245、V445がUS(UltraSPARC)IIIi+を搭載せずに出荷されるのは、製造と歩留まりの問題のせいであり、2007年の半ばまではIIIi+プロセッサの登場は期待できない」と述べている。sppという人物は、この発言を「Martinへの個人的な回答」であるとした。Martinというのは、明らかに同フォーラムに参加していたSunの製品ラインマネージャーMartin Shepard氏のことである。

 SunのUltraSPARC T1「Niagara」プロセッサは予定よりも早く出荷されたが、UltraSPARC IIIi+ではSunプロセッサの昔の悪評を蒸し返すこととなってしまった。以前にも同社は、UltraSPARC IIIプロセッサの出荷を数回延期した揚げ句、数年も遅れて発表した経緯がある。

 本件に関してSunからの正式なコメントは得られていない。

 SunのUltraSPARCプロセッサは、Texas Instrumentsが製造している。UltraSPARC IIIiプロセッサは、130ナノメートルプロセスを用いた比較的古い製造技術を使用している。IIIi+は90ナノメートルプロセスを使用することにより、シリコン上に空きを設け、高速キャッシュメモリをIIIiの1MバイトからIIIi+では4Mバイトに増加することが可能になった。

 厚さ1.75インチ(約4.4cm)のSun Fire V215と厚さ3.5インチ(約8.9cm)のV245は、いずれも開発コード名「Seattle」のデュアルプロセッサシステムとしてそれぞれ派生したものである。V445(開発コード名:「Boston」)は4プロセッサモデルで、厚さは7インチ(約17.8cm)である。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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