不正行為に使用されたPCを締め出す--米で注目の詐欺防止ソリューション企業

文:Michael Kanellos(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2006年08月01日 19時52分

 オレゴン州のある会社が、犯罪者のコンピュータを効率的に排除することで詐欺行為を防止するサービスを提供している。

 iovationが考案したのは、特定のサイト上で盗難クレジットカード情報を用いた物品購入や賭博が行われた際に、当該の不正行為に使用されたPCを特定するサービス。不正行為に使用されたことが特定されたPCは、サイトから永久に締め出されるか、ウォッチリストに掲載される。

 iovationの最高経営責任者(CEO)Greg Pierson氏によると、犯罪者がIDやパスワードを何度変更したとしても、同じPCを使用し続ける限りは、iovationによって保護されたサイトに入ることはできないという。

 不正行為に使用されたことが特定されたPCは、iovationのサービスを利用する他のサイトからも同様に締め出される。「iovationの契約者らは、アクセスしてきたPCがウォッチリストに載っていることを知っている」(Pierson氏)

 これまでの同社の主要顧客はカードゲームサイトだった。オンラインポーカーは、盗んだクレジットカード情報で不正に入手した資金のロンダリングに頻繁に利用されていると同氏は説明する。

 犯罪者はクレジットカード所有者の名前でポーカーアカウントを作成し、対戦相手として用意された別のユーザーアカウントをコントロールしながらプレーする。こうして、対戦相手のふりをしている別のユーザーアカウントが勝つように仕組んでいるのだ。

 ウェブサイト運営者はこうしたゲームを見ても八百長には気付かず、むしろポーカーゲームのありふれた勝敗の流れと思うだろう。追跡調査を複雑なものにするため、犯罪者は、盗難クレジットカード情報の名義を使用したプレイヤーに時には勝たせたり、さらに多くのユーザー名を使ってプレーしたりする。

 iovationは他の領域にも事業を拡大している。大手のマルチプレーヤーゲームサイトでは、一部のプレーヤーが盗難クレジットカード情報を使用して武器や不動産などの仮想資産を購入していたことが発覚したのを契機に同社のサービスを契約した。Pierson氏は、2006年はオンライン販売業者にもサービスを積極的に売り込んでいるという。売り込みの対象としては、この他には子どもに対する性的虐待を目論む人を排除したいと考える、未成年者向けのウェブサイトが挙げられる。こうしたサイトではこれまでも、こうした犯罪者を排除しようとしてきたが、取り組みは難航している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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