「企業で使用できる段階にはない」:レッドハットが「Xen」の取り扱いに慎重な姿勢

文:Renai LeMay(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2006年08月01日 17時16分

 オープンソースの仮想化ソフト「Xen」に対する顧客のニーズは「極めて」高く、Novellはすでに同ソフトウェアの出荷を開始しているにも関わらず、Red Hatのある上級幹部は、同ソフトがまだ企業で使用できる段階にはない、と慎重な姿勢を崩していない。

 Xenを使用することにより、ユーザーは1台のハードウェア上で複数のオペレーティングシステム(OS)をゲスト仮想マシンとして使用することができ、それによりリソース利用の効率化を図れる。Xenは主に米国の新興企業XenSourceが開発している。

 しかし、Novellは7月にXenを搭載した「SUSE Linux Enterprise Server 10」を発売したが、Red Hatの国際事業担当バイスプレジデントAlex Pinchev氏によると、同社は依然として同ソフトに確信が持てないという。

 Pinchev氏は現地時間7月31日、CNET News.comの姉妹サイトであるZDNet Australiaが行ったインタビューの中で、「XenSourceはまだ安定性に欠け、企業にソフトを提供できる段階にはない」と語った。

 「XenSourceは、銀行や電気通信会社といった企業顧客の業務に対応できるほど十分に安定しているとは思えない。したがって、われわれが安心できるまで、リリースは控える」(Pinchev氏)

 「(顧客の立場に立てば)仮にNational Australia Bankが仮想化環境を構築したいと考えたものの、(Xenが)安定性に欠ける場合、同銀行が何と言ってくるかは容易に想像がつく」(同氏)

 Red Hatは、ライバルであるNovellに追い付くために、単純に自社のOSの組み込みソフトウェアとしてXenを発売するのではなく、12月にリリース予定のRed Hat Enterprise Linuxサーバソフトウェアの新版の中で同製品を中心とした完全な仮想化プラットフォームを構築しようとしている。

 Pinchev氏によると、そのプラットフォームには、システム管理ツールやプロビジョニングツールのほかに、例えばストレージを仮想化するためのソフトウェアなども含まれているという。また同氏は、仮想化ソフトウェアに対する顧客のニーズは「極めて」高いと指摘した。

 Pinchev氏によると、Red HatはすでにXenの試験に数百万ドルの費用を費やしており、さらに世界の顧客企業数百社に同ソフトのベータ版を試験的に利用してもらっているという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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