NEC、システムLSI組み込みに適した高速動作MRAMセルの基本技術を開発

 NECは7月14日、次世代LSIへの組み込みに適した超高速動作不揮発性磁気メモリ(MRAM:Magnetoresistive Random Access Memory)セルの基本技術を開発したと発表した。今後は、本技術を用いたMRAMマクロの設計や試作を進め、実チップに組み込んだ形での動作検証を目指して開発を進めていく。

 NECは、MRAMの技術開発をNEDO技術開発機構の助成を受けて進めており、高速組込み不揮発性RAMの実用化を目指している。これは電子機器の高速・高性能化に伴い、高速に動作するシステムLSIへの要求が高まっていることを受けたもの。MRAMは、動作時に使用するメモリ(RAM)と、非動作時にデータを記憶する不揮発性メモリ(NVM)の特徴を併せ持つ統合メモリのことで、読み出し、書き込みの動作をともに高速化するMRAMの開発が進められていた。

 今回開発されたメモリセルの基本技術は、書き込み回路および読み出し回路を新規に開発することで、書き込み・読み出し速度の高速化し、低書き込み電流メモリセル構造の開発によるセル面積の小型化などにより実現している。シミュレーションの結果、200MHz以上の書き込みと500MHz以上の読み出しが可能であることを実証した。

 また、組み込みSRAMと同等以下のセル面積での組み込みMRAMの実現が期待できるため、システムLSIチップを低コストに製造可能となる見通しが得られたとしている。NECでは今後も、MRAMの次世代システムLSI組み込み用メモリとしての可能性に注目し、研究開発に注力していくとしている。

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